君の人生、変えてあげる。 512
僕はスマホの画面を見た。
『一年六組に行ったんだって?おつかれ』
もう伝わってるのか。
僕はすぐに返信した。
『はい。ありがとうございます』
すぐに返信が来た。
『どんなだった?』
僕は短くまとめようと文を考える。
『僕らの思っていることを伝えました。まあ、教室にいたのは全体の半数程度ですが…気になったのは、子愛さんが何の動きも見せなかったことで…』
勝代さんからはこう返ってきた。
『彼女には迷いがあるんじゃないかな』
『迷い?』
『うーん、電話していい?』
『はい』
すぐにこのアプリの電話がかかってきた。
僕はすぐ取った。
「子愛さんの話、いろいろ入ってくるけど、やっぱり、子愛さんは認められたい、友達が欲しい、って思っていると思う」
「それは、まあ、僕も…そう思います」
「あのクラスとか、椎名さんのところが、子愛さんにとってのいい居場所になれば、よかったんだけど、本人、自分の行動が周りを遠ざけてることに気付き始めたのかもしれない」
「子愛さんはクラスで孤立している、とか?」
「それはあるかもしれない。もちろん支持してる子もいるんだろうけど、その数はだんだん少なくなっているはず。そこで話し合いに持ち込めれば良いんだけど」
…あの一瞬驚いたような顔は、もしかしたら。
「それと、6組でいえばもう1人」
「はい」
「マギーちゃんは味方になってくれそうじゃないかな?」
確かに。みっちゃんが中立と言っている以上、他に味方になってくれそうな人はマギーさんしかいない。
選挙は明後日。急いで連絡をとらないと。
「ありがとうございます。マギーさんに連絡をとってみます」
「それがいいかも。じゃあ、またなんかあったら何でも相談に載るから」
そう言って勝代さんとの電話は終わった。
さて、マギーさんに連絡といっても、連絡先が分からない。
知ってそうな人…と思って、ルイちゃんの顔が浮かんだ。