君の人生、変えてあげる。 503
「そうなの?」
「うん、多分テストの後またお仕事があったのかな、足早に校舎から出て行ったような」
「芸能活動との両立って大変だろうね」
「でも、すごくイキイキしてると思わない?星野先輩って」
「まあ、確かに」
それでも、発言一つを「事務所に相談する」と言うとか、息苦しそうな面もあると思っていた。
「窮屈なこととかもあるかなあ、と思ってるけど、でもきっと充実してるんだろうなあ」
「そう思う」
「話ができる機会とか、あったらいいな」
「きっとあるよ」
飛鳥ちゃんは微笑んで、自信ありげに言った。
「たっくん、この後すぐ帰っちゃう?」
「まあ…まだ勉強したい個所もあるし」
「私も…だけど、たっくんが良かったら一緒にやらない?」
「いいけど…飛鳥ちゃんの家は…大丈夫なの?」
「……今日は大丈夫」
僕たちはそれぞれ要ると思うお菓子とかを買い、コンビニを出た。
あまりしゃべらず、僕は飛鳥ちゃんについていく。
「ここなの」
数分で、飛鳥ちゃんの家に着いた。こじんまりしていて、ちょっとおしゃれな感じの家。
「今の時間は、お父さんもお母さんも外出してるから、大丈夫」
「そう」
飛鳥ちゃんの後に続いて家の中へ。
「飲み物、入れるね。たっくん何がいい?」
「飛鳥ちゃんと同じものでいいよ」
リビングのソファーに座って少し待つ。