君の人生、変えてあげる。 494
「海里と仲良くしてくれて、ありがとうね」
「い、いえ、こちらこそ、仲良くしてもらえて、よかったです…」
峰代さんは、シャワーを止め、僕の方に歩みだし、湯舟の縁に腰掛けた。
峰代さんの、温もりが、感じられる距離!
「私もたっくん、って呼んでいいかな?」
「え、ええ、もちろん…」
「たっくんと、ここで話せて、よかった。外だと、ちょっと男の人と話しているだけですぐ写真撮って記事にしよう、って人多いからね」
峰代さんって、そんなに有名な人……その人が実家に住みながら芸能活動も、って考えるとなんだかすごい。
「今は大学に通ってるって聞きました」
「うん、お仕事となんとか両立してね。大変だけどやりがいも感じるの」
峰代さんがこちらを向いて微笑んだ。
グラビアでも見る笑顔。それだけでドキドキする。
「一緒に入ってもいいかな?」
「え、ええ、どうぞ」
ええっ…こんな狭いところに…
僕は可能な限り片方に寄って場所を空けようとした。
「海里さんとは、よく入ったのですか?」
「ええ」
女性二人なら、そんなに問題なく入れそうだが、男女だと…
峰代さんの脚がちょっと僕の膝に触れる。そして、段々と体を下ろしていき、お湯が溢れていく…
「ちょっと狭いですかね…」
「いいよ、遠慮しないで。私が無理に入ってきただけだから」
峰代さんと向かい合う。
お湯の中でも、その豊満過ぎるくらいの身体は隠せない。
「お風呂に入ると気持ちがリラックスできるの」
「ごめんなさい、今日は予定外だったかもしれません」
「いいよ。たっくんとは、いつか話してみたかった……海里にとっても大切な関係の人なんだから…」
「あの、お仕事でこんなふうにお風呂入ることあるんですか?」
「男の人と、ってこと?それは流石にないなあ」
しばらく沈黙になる。僕は、股間の興奮を少しでも鎮めようと会話を続けようとする。
「…ええと、峰代さん、お仕事、大変と思うのですが、これから活動を広げていこう、とか考えているのですか?例えば…女優さんとか…」