君の人生、変えてあげる。 50
「…ん、くっ、う…」
ギュッと瞳をきつく閉じ、おそらく激しい痛みと戦っているだろう飛鳥ちゃん…
一筋の涙が頬を伝う。
「大丈夫?痛いならもうやめる…」
「いい、大丈夫。続けて…」
「飛鳥ちゃん…」
「痛いけど、それよりも嬉しいの…初めてがたっくんで、好きな人と、ひとつになれて…」
僕は思い切って、それを奥まですすめた
「あぁっ…」
飛鳥ちゃんは小さいけど叫び声に近い声を上げた。
「たっくん…しばらく…そのままいて…」
僕は、その通りにした。飛鳥ちゃんは、涙の筋を残したまま、だんだんと穏やかな顔になっていった。
「ありがとう。私…幸せ…」
「痛かった?」
僕は聞いた。あまり、気の利いた言葉ではなかったかもしれないけど…
「言ったでしょう。痛かったけど、嬉しいよ」
僕と飛鳥ちゃんは、そのまましばらくお互いに抱きしめあった。
…
翌朝。
飛鳥ちゃんと抱き合ったまま、眠ってしまったため、目が覚めたときもお互いに裸だった。
「おはよう」
「うん、おはよう」
飛鳥ちゃんも目を覚まし、微笑んだ。
昨夜にしたことを思い出したら、少し恥ずかしくなった。
飛鳥ちゃんも僕の方を見て頬が赤くなっていた。
「朝ご飯、作ろうか」
「たっくん、料理するの?」
「うん、うち、母さんと二人で、母さん働いているから、それなりには、作るよ」
「そうなんだ、お母さんと二人だったんだ…でも、料理できるってすごい!」
「そうでもないよ」
僕は、裸のままベッドを出た。起きたばかりの時のソコの状態は、今は落ち着いていた。
「そっか、じゃあ、お願いしようかな」
飛鳥ちゃんは、タオルケットを身に着けながら言った。
「でも…叔父さんの部屋、多分飲み物しかないよ」
「材料買ってくる…シャワー使っていい?」
「うん」
僕は、軽くシャワーを浴び、着替えの服を着た。
「コンビニが、出て左の方にあるよ」
マンションから歩いてすぐのコンビニで、パンと幾つかの惣菜やサラダを買って戻る。
「ごめん、『作る』は期待しないで」
「コンビニじゃあね」
飛鳥ちゃんはニコッと笑って言った。
爽やかな水色の服が可愛い。
僕は買ってきた食パンをトースターで焼き始める。
「なんか、新婚夫婦みたい」
飛鳥ちゃんの言葉に、ちょっとドキッとした。