君の人生、変えてあげる。 481
「週明けに、行けば、もしかしたら臨時生徒総会は、平穏に終わるのかも」
「臨時生徒総会?」
「聞いてるかな?後になって反対派が文句を言ってきても大丈夫なようにするためには、選挙の直前か直後に臨時生徒総会を開くといい、っていう話」
確かに勝代さんから聞いた。
「うん」
「今日の報告のもう一つは、臨時生徒総会のこと。委員長会議で『電子的採決』ができるようになったあと『生徒会本部が10月7日 火曜日に臨時生徒総会を開催するなら委員長会議は全面的に支持する』っていう決議が全会一致で可決されたの」
「ちょ、ちょっと待って。いきなりついていけないんだけど」
「つまり…まず、会長さん、臨時生徒総会開いてこのあと問題なく進んでいこう、できれば、選挙前にやって流れを確実なものにしよう、とは思っているらしいんだ」
「そうなんだ」
「けど、いろいろ情報を入れて身動きが取りにくくなっていたみたいで。それで、委員長会議として背中を押そう、って考えた人がいたみたい」
飛鳥ちゃんはそこで一息入れた。
「もしかしたら、そこが、たっくんと子愛さんの最終対決の場になっちゃうのかなあ、とかちょっと思っていたんだけど、その前にこっちから6組行くなら、そうじゃないかも」
できれば避けたいことだった。
しかしもう後戻りはできないしこのまま逃げていては以前の自分と一緒だ。
今こそ思い切って行くしかないんだ。
「飛鳥ちゃんも6組…一緒に来てくれる?」
「もちろん。たっくんは、私たちのたっくんだから」
電話を終えて、僕は家に帰った。
多少ボーっとしてからだが、僕は月曜からのテスト勉強を始めた。
一番怖かった理系科目は大体片付いたので、少し安心していた。僕はテスト範囲の新出英単語を改めて確認し始めた。
英語は理系よりはまだマシ、と思うがそこまで自信があるわけではない。
意味やスペルを覚えて頭の中に叩き込む…それでうまくいけばいい。
机に向かってしばらくするとスマホがメッセージが届いたことを知らせてくれる。
その主は有佳ちゃんだった。
『たっくん週末出れる?海里と純菜と一緒に奈緒ちんのところで英語を勉強しようって思ってるんだ』