君の人生、変えてあげる。 475
「なんていう名前なんですか?」
「凛々花。私の名前、ゆり、っていう音が入っているから、その英語のlilyからとったんだ…人気投票の順位発表でいきなり結婚宣言した某アイドルと同じ名前なのは偶然」
「いい名前ですね…誰も同じ名前の人なんて気づかないと思いますよ」
目元とか、友梨佳さんによく似ていて可愛らしい。凜々花ちゃんの隣の友梨佳さんもとてもいい笑顔で今がとても充実して幸せなんだな、と感じる。
「酒本くんも、こっちに来て」
友梨佳さんはスマホをポケットにしまい、小さく言った。
僕は言葉のままに友梨佳さんの隣に座った。
「男の子の近く、ってすごく久しぶりで、緊張しちゃってるかも」
そう言われると僕も緊張する。でも、ここは、緊張を和らげなければならない、役割なんだ、と自分に言い聞かせた。
ひとつ深呼吸して、友梨佳さんと向き合う。
「酒本くんから、リードしてくれる…?」
「ええ」
友梨佳さんを抱き寄せる。
距離が縮まり、顔が接近して…
「なんか、すごくカッコいいね…酒本くん。好きになっても、いいかな」
なんと言ったらいいんだろう…
「ええと、でも、ご期待に答えられないかも…」
「こうやって、そばにいてくれれば、いいの」
そのまま、僕たちは、キスしていた。
一度唇を離した。ちょっと、お互いに笑った。すぐに、二回目のキス。