君の人生、変えてあげる。 473
「表では絶対にそういうところを見せない人だよね、酒本くん。それも私の中ではポイント高いな」
「は、はあ…」
クールに見えてよく喋る人だ。サバサバしてるのがこちらも好感度が上がっていい人に思える。
もちろん、みんなとの関係は否定するつもりはない。
「酒本くん、お願い」
「はい?」
「私にとっての男の子のイメージ、変えさせて」
「じゃあ、さくら迎えに行くから、私はこれで」
佐智子先生はそう言って去っていった。
急に二人になる。どうしたら、いいだろう?
男の子のイメージを変えさせる…結構好感を持ってもらえてはいるけど、できるだろうか…
…僕には、ここ一ヶ月の、実績が、あるんだ。きっと、大丈夫…僕は心の中でそう自分に言い聞かせた。
「えっと、先輩」
「友梨佳、でいいよ」
「はい…友梨佳さん、どこか、2人きりになれる場所、ありますか?」
「そうだな……うん、あるかも」
友梨佳さんは微笑んで言う。
その場所に向かう間は、特に会話が広がることはなかった。
友梨佳さんは、少し先を歩き、使われていないという旧校舎…最初に胡桃ちゃんと深い仲になったところ…に歩いていった。
その場所は一階だったが、友梨佳さんは階段を登り始めた。
「この先は、多分一年の子は知らないはず」
友梨佳さんは振り返ってそう言い、ニヤッと笑った。
階段を上りすぐにたどり着いた教室。
友梨佳さんはためらうことなくその扉を開けた。
「昔は音楽室だったらしいよ」
とはいうものの、その面影は見当たらない。
「それも過去の話で、最近じゃ彼氏持ちのこの間ではヤリ部屋、のように言われてる」
「は、はあ…」
「度が過ぎて、ちょっと後悔してるところもあるけど」