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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 471

ずいぶん長い間陽菜さんと一緒にいてすっかりテストのことを忘れかけていたのだが、不思議と一緒に勉強して覚えたことはまだ頭の中に残っていた。
これならいけるかもしれない。

「まぁたっくんは初めてのテストだけどそこまで緊張することないし」
莉緒ちゃんが言う。
「担当の先生にはいいイメージを持ってもらいたいからね」

みんなで朝食を済ませると、茉莉菜ちゃんがいつも乗ってるという車に乗り込んだ。

 学校に着いて、みんなで車から降りたところで飛鳥ちゃんに会った。
「おはよう。お泊り?」
「うん、泊まりで勉強会だったんだ」
茉莉菜ちゃんが代表して応えた。

教室へ歩く間に、飛鳥ちゃんは僕に言った。
「今日、テスト終わってから臨時委員長会議があるの。終わったら、どんな感じだったか話すね」
「臨時、って、なぜこんなテスト中に?」
「だからこそ、の議題。これからいろんなこと決めなきゃなんないだろうから、早く決められるよう、電子的採決ができるようにする議案」
「電子的?」
「チャット&無料通話アプリで委員長会議グループがあるから、そこで賛成が多ければ、集まらなくても決められるようにする」
「なんか揉めそうな気もするけど?」
「採決ごとに『この議案は集まって決めよう』って言う人が一人でもいたら、集まって決める、ってことで根回しできてるみたい」

そこまでしっかりした内容を面と向かって集まらずにできるシステムってすごい。
「もっとも、重要なことはテスト後に集まって話し合うけど」
「だよね」

教室に着くといつもより張り詰めた空気が流れている。
会話も少ない。
僕も静かに自分の席について最後に覚えるべきことを確かめておく。

テストは1日に3教科行われる。
その日の最後の試験監督には、佐智子さんが教室にやってきた。

 “さくらちゃん、元気にしてるかな”
 佐智子先生のお子さんがちょっと頭に浮かぶ。

 いろいろな雑念を振り払って試験に集中する。

 そして、今日の試験は終わった。
 割と、できたほうだと思う。

  飛鳥ちゃんは会議のため急ぎ教室を出た。

教室は帰り支度をして一人また一人と生徒が少なくなっていく。
今日は勉強会、という話もなく胡桃ちゃんや茉莉菜ちゃんもそれぞれ帰宅の途についていくようだ。

僕が教室から出ようとすると、担任の深沢先生と佐智子さんが立ち話をしていた。
僕がそこに近づくと、話が終わったのか深沢先生が立ち去っていく。

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