君の人生、変えてあげる。 446
「ねえ、こないだのプールの帰りのときは、スライダーの続き、とかやったねえ」
「スライダー、って?」
律ちゃんは、そのときいなかった莉緒ちゃんに、市民プールからの流れを説明した。
「わあ、楽しそう」
律ちゃんが僕の前に、奈緒ちゃんが僕の後ろについて、背中に抱き着いてくる。
身体に緊張が走るのもあの時と全く一緒。
奈緒ちゃんの胸、気のせいだろうか、あの時よりもふくよかになったような。
「そうやってプールで遊んだわけだ」
「楽しかったよー」
そしてほどなく、律ちゃんは振り向いて、自然とキスを交わした。はじめは唇が触れ合って、すぐに舌を絡ませて。
しばらくの後「たっくん、私も」と耳元で奈緒ちゃんがささやく。僕は律ちゃんとのキスが終わってすぐに振り返って奈緒ちゃんと舌を絡ませる。
「おおっ、おおおっ!?」
いきなり目の前で僕らが濃厚なキスを繰り広げたからだろう、莉緒ちゃんが驚きの声を上げた。
まあ、当然のことだろう。
僕は莉緒ちゃんも気にしながら奈緒ちゃんの身体を抱きしめ、片手を使って胸を揉む。
「これはスライダーじゃあないねえ」
「うん、ここだからできるかな」
莉緒ちゃんのちょっとにやにやしながらの言葉に茉莉菜ちゃんが応じる。
前回動揺していた葵ちゃんは、もう慣れたように、順番を待つかのように椅子に座っている。