君の人生、変えてあげる。 443
少し張り詰めていた室内の空気が、和らいだ。
僕がさっきの言葉を発した瞬間、周りの皆さんの表情が明るくなった。
「良かった。ちゃんと話し合えば分かり合えるんだって。ありがとう」
レンさんが笑顔で言う。
「誤解を解くことができて何より」
景さんも喜びを噛み締め、純さんとレンさんが握手して会議は締めくくられた。
そして、僕は参加してくれた人たちに丁寧にお礼を行ったあと、 自転車で茉莉菜ちゃんの家へ急ぐ。
来ていたのは、前回のメンバープラス莉緒ちゃん。
「たっくん、打ち合わせおつかれさま」
茉莉菜ちゃんが明るく迎えてくれた。
「遅くなってごめん」
「大丈夫、私たちもこれから始めようと思ってたところだから」
広大な庭を歩いて、お出迎えしてくれる様々な方に挨拶して、茉莉菜ちゃんの後をついて歩く。
「あれ、茉莉菜の部屋じゃないの?」
「今日はもうちょっと広い部屋の方がいいかなぁって」
行った部屋は、いる人数にしては広すぎる感じがした。
「広すぎない?」
「今はそうかな。でも、もっと人数増えるかもしれないし」
「これから?」
「今日は増えないかもだけど、もし、希望があれば、だけど、中間テスト終わるまで、勉強会、続けられるようにと思って」
「それはいいかも。茉莉菜のお家は大変かもだけど」
「別に大丈夫だよ。うちのクラス全員が来ても大丈夫なよう準備してあるから」
「それはちょっとやり過ぎ」
時々ちょっと脱線した話もしながら僕たちはテスト勉強を進める。
少し苦手意識のある理系科目も莉緒ちゃんのおかげでなんとかなりそうな気がする。