君の人生、変えてあげる。 440
中間テストは金曜、月曜、火曜、とある。つまり明日から。
昨日までの平日家に帰ってからのことはあまり書いてこなかったが、一応少しは勉強はしていた。
「たっくん、テストの準備は大丈夫?」
理数系科目でよくお世話になっている莉緒ちゃん。
「うん…一応テスト範囲はしっかりやれてるから、大丈夫」
「もしよかったら個人的にまとめた奴たっくんにも見せようかな」
「ありがとう」
幸いどの教科もテスト範囲は2学期が始まってからの範囲なので途中転入の僕でも対応はできた。
「たっくんが不安なところがあったら、有志を募って勉強会を開催しようか?」
そう言ったのは茉莉菜ちゃん。
「ありがとう。それは助かるかも」
それを聞いて、何人かが参加すると言ってくれた。
英語ペラペラの奈緒ちゃんも来てくれるのは特に頼もしい。
場所は、何人もが集まりやすいところ、ということで茉莉菜ちゃんの家で、になった。
「僕、放課後打ち合わせあるから、そのあと行くよ」
打ち合わせ…勝代さんと景さんを中心にした、選挙対策の話だ。
テスト勉強もしつつ生徒会選挙のことも考えないといけない、いろいろ忙しくて大変だ。
勝代さん、景さんの要望で僕と一緒にみさちゃん、麻由ちゃんの2人で向かう。
「たっくん、この前うちの部長とも話したんじゃない?」
「えっ」
「部長3組なんだ、内緒にしといてって言われてね」
麻由ちゃんが言う。
じゃあ、あの、二番目に質問した人は、椎名陣営、とかではなくて、新聞委員だった、ということだったのか。
「そうなんだ…うん、多分あの人がそうなのかな、っていう人の質問に応えたよ」
麻由ちゃんはその内容も知っているようだった。
「うちの新聞部は代々『生徒の立場に立つ』が方針なので、もし理事会の方針が押し付けられるようなことになると反対してきた。あの話も、もしかしたらそのまま部長が最初言ったような言葉で臨時日報版に載ったかも知れなかったけど、たっくんも説明したし、私達一年の委員もちゃんと説明して、朝井先輩…部長…も納得してくれて実態に合った記事になったよ」
歩いている途中にちょうど臨時日報版が貼ってあった。
確かに、酒本(拓)候補が理事長に会った噂があるが、それはこういうことだ、という書き方になっていた。
僕はかなりほっとした。
打ち合わせ場所にした空き教室で、景さんが話し始めた。
「この後の、謝候補との話し合いにあたって…」