君の人生、変えてあげる。 431
「わかりました」
となると、こちらは僕と麻由ちゃんと…あとは誰を呼ぼうか。
「新聞委員のトップは私と同じクラスで、大親友だから。彼女ももちろん連れてくるから」
「助かります」
いよいよ、何かが動き出すのだろうか。
浮ついた気持ちを、引き締めなおした。
「私の意見だけど、連れてくる候補者は二年生がいいと思う」
「なぜですか?」
「校内の細かいこととか判断を求められた場合、一年半ここにいた人のほうが多分分かる」
「そうですね。そうしてみます」
「あと、ちょっと戻るんだけど、星野さんのこと。たっくんがちょっと心配したように、星野さんは男子にいてほしくないんじゃないか、って思う人もいて、そういう噂を大々的に拡散される恐れもある」
「それはちょっと怖いですね」
「それは全くの誤解だし、星野さんだって本当はそう思ってないかもしれない。できれば彼女とも話す機会が欲しいけど、今回はちょっと難しいかも」
「まあ、後々ですね」
「うん。それで、私の方から、佳奈と小春さんを連れていきたいと思ってる…たっくんには先輩ばかりだけど、臆することなく気持ちを伝えてほしい」
「はい」
勝代さんとそんな会話をした数分後、今度は景さんからも同じような話が来た。
景さんは、星野さんのことを言ったうえで
「明日の昼、三組にくるんでしょう。そこで、彼女に、何か男子が居てもいい方向の発言をしてもらえないかと考えてる。そうすれば、どんな噂にも勝てるファクトになる…なのだけど、彼女『事務所に相談する』って言っている」
「事務所ですか?!」
「どんなレベルにせよ、周りに波紋を与えるような発言には慎重になるようだ」
こちらとしてはあまりことを大きくして欲しくないと思っているのだが…
「星野さんって、普段はどんな感じでしょう」
「私が言うとアレだけど、物静かで主張しない子だね。それでも誰にでも気遣いのできて、とてもいい子だと思う」
「そうですか」
「男子に抵抗感もなさそうだし、頼めばきっと快く応じてくれると思うんだ」