君の人生、変えてあげる。 427
その質問に答えるのは歩ちゃんと鈴ちゃんだろう。
「変わったこと?なんかいっぱいあるなぁ」
「いいことばかりだけどね」
「いくつかに絞ってもらってできる限りたっくんにとって良いアピールになれば、ね」
「了解!」
そして昼休みの時間を迎える。
歩ちゃんと鈴ちゃんと三人で2年1組に行き、僕が扉を開けた。
まず、ニコッと笑った勝代さんと目が合う。あの山麓での一夜を思い出してちょっと赤面する。
一度は来たことがあるクラス、でも、だからこそ、あまり前に出て演説するような雰囲気になっていかない。
そのかわりというか、みさちゃんが僕の言いたいことまで丁寧に説明してくれる。
クラスは違うが生徒会長の妹、というのは知れ渡っている。
そんな話の最中にこちらに笑顔でピースしたりサムアップしてくる菊川先輩と高森先輩。
いつもこんな風なのかな、と思うと気持ちもだいぶ和らいでくる。
菊川先輩が手を挙げる。
「もし、一年早く生まれていたら、このクラスに来たいですか?」
笑いが起こった。勝代さんは
「それ本題と関係ないでしょー」と笑いながら言った。
最初にここに来たときだったら一瞬躊躇したかもしれない。でも、この温かい雰囲気。僕は迷わず答えた。
「はい、是非来たいです」
「おおおー」
菊川先輩など文芸部の面々以外の方からも驚き、どよめきの声が上がる。
「先輩方のような温かい方々に支えられて、僕も楽しい学園生活を送れています。その学園をよりよくしたいと思って生徒会役員に立候補しました。どうか、力を貸してください」
そう言うと、教室全体が大きな拍手に包まれた。