君の人生、変えてあげる。 405
あの時のようにクラスのみんなが帰った後、胡桃ちゃんと二人きりになれるまで待っていた。
(それまでは売店に行ったりして時間を潰していた)
「お待たせ、たっくん」
「うん」
胡桃ちゃんは教室で待ってくれていた。
あの日から…胡桃ちゃん、ちょっと髪が伸びたし色が変わったような気もする。
「今日はどうする?」
「たっくん、せっかくだから、私のお家に来て」
場所を聞いて、少し時間差を付けて行く。
ちょっと大きめの、一戸建て。
そんなに時間差は大きくなかったため、胡桃ちゃんは制服姿のまま、笑顔で僕を出迎えた。
「わざわざ来てくれてありがとう」
「こちらこそ、呼んでくれてありがとう」
家はしんとして、胡桃ちゃん以外いないようだった。
「ご両親は?」
「仕事だよ」
「胡桃ちゃん、兄弟とかいる?」
「妹が2人いるよ。今はまだ学校。部活もやってるからすぐには帰ってくることはないはず」
胡桃ちゃんは笑ってそう言う。
「2階に私の部屋…すぐにわかると思うから。ジュース持ってくるから待ってて」
僕は階段を昇りながら“妹さんも涼星なのかな?やっぱり、いると場を明るくするような感じなのかな”とか考えていた。
そして、昇ったら、いくつかある扉の一つにひらがなで「くるみ」と書いた札が下がっている部屋があった。
僕はそこの扉をあけた。
やはり、女の子らしい部屋。
淡いピンクの壁紙にファンシーな小物やぬいぐるみが置かれていて可愛らしい。
僕はあまりこういうところに似合わないなぁ、と思いながらベッドに腰かけると、すぐに胡桃ちゃんが部屋に入ってきた。
「お待たせ」
「ありがとう」
コップに注がれたオレンジジュースを受け取る。