君の人生、変えてあげる。 400
「男女共存できて、明るく笑顔の絶えない涼星高校を作り上げていきたいと思っています」
…渚ちゃんの言葉を聞いてまた考える。
自分の言葉…なかなか難しいな。
「たっくん、そんな難しい顔しない」
「飛鳥ちゃん…」
「こうしたい、っていう自分の気持ちが伝えられたら、それでいいの」
続いて応援演説の真奈美ちゃんの言葉。
「三島さんは、半年前まで共学の中学にいた外部生です。見かけ通り、真面目にクラスをまとめてくれています。共学と女子高、両方を経験した三島さんこそ、この局面に必要です!」
続いて可憐ちゃんたちの演説は
「5、6組エリアと1〜4組、そして学校全体への架け橋として」的な内容が特徴的だった。
二組の演説が終わって、僕たちはやや足早に食堂に向かう。
「飛鳥ちゃん、あの、さっき渚ちゃんと話していたのって?」
「?……う、うん、まあ、こっちの話」
「…」
なんか今日は飛鳥ちゃんの様子がおかしい。今まで僕に何か隠すことなんてなかったのにな。
食堂はいつもより人の入りが多い感じ。
一部の区画で行列ができている。
「なんか今日は混んでるね」
「混んでても今日は譲れないなー、ほらあそこ」
由佳里ちゃんが指さす方には「ラーメンフェア」という看板があった。
ここのラーメンはシンプルなものというイメージがあったので「フェア」と聞くとどんな特別なものだろう、と期待が高まる。
「たっくんはラーメン好き?」
「うん」
「今週は、日替わりで5種類のいろんなところのラーメンが出るんだよ」
「今日はどこのラーメン?」