君の人生、変えてあげる。 395
僕はひーちゃんが心から歓喜していることを確信して、より激しく、体力のある限り突き続けた。
ひーちゃんは顔をくしゃくしゃにして、もう意味のある言葉は言わないくらいに喘ぎ続ける。
どのくらい、そうしていただろう。長かったような短かったような時間のあと、僕は多分この日残った全部であろう、というくらいの液をひーちゃんに注ぎ込んだ。
ひーちゃんはもう動かなくなっていた。
僕はティッシュを手にとってゆっくり引き抜いて、ひーちゃんの脇に移動して、というところで一度記憶は途切れた。
…………目覚めたとき、僕の身体には毛布がかけられていた。
部屋の中には僕以外誰もいない。
あの後力尽きたのだろう、随分時間が経ってしまったのか。
「たっくん、起きた?」
「ああ……ごめん、歩ちゃん…」
部屋の中は暗くて、歩ちゃん?が開けた扉の方から明かりが差し込んでくる。
だんだん目が覚めてくる。
やはり声の主は歩ちゃんだった。
歩ちゃんは当然ながら、普通の部屋着姿に戻っていた。
「はい、服」
「あの、みんなは?」
「もう帰ったよ」
「いま、何時くらい?」
「もうすぐ18時」
「ごめん、遅くなっちゃったね」
「たっくん、疲れてない?無理しないでね」
「大丈夫。みんなといっぱい…できて、すっきりしたって言うか」
歩ちゃんはそれを聞いて笑った。僕もつられて笑う。
その後十数分して帰り支度して、歩ちゃんの家を出た。
ご両親とは顔を合わすことはなかった(ただ、車庫には車は止まっていた)
とても充実した週末を過ごすことができた。疲れてないといえばウソになるけど、得たものは大きかったと思う。
帰ったらもう母さんは夕食を済ませていて、僕は一人で夕食にした。母さんとあまり言葉を交わさず、けっこうすぐに寝た。
翌日、9月29日、月曜日
「たっくん、たっくん、」
登校すると、胡桃ちゃんがすぐそばに近づいてきた。
「クラス回りの計画なんだけど『応援団長』として考えてたんだ…土曜も入れて、来週の火曜までの8日間に、うちを入れなくても17クラス回るから一日2、3クラスは回らないとね」
「あ、ああ、ありがとう、胡桃ちゃん」
胡桃ちゃん…僕の初めての相手だった…と話したのはけっこう久しぶりの気がした。クラス回りの話や、胡桃ちゃんが選挙の応援団長だった、というのは実は忘れかけてしまっていた。
「急に行っても大丈夫なの?特に先輩のクラスとか」
「そのクラスに知ってる先輩がいる子に状況を聞いてもらってる」