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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 40

…なるほど。
生徒会役員の仕事はやはり大変そうだ。
僕は男なので、スカートの丈とかそういうのはわからないけどね。

「一度やってみると面白いよ。普段あまり喋らない先輩や後輩とも仲良くなれるし」
母さんはそう勧める。
…ちょうど良い機会に、母さんに、今の生徒会の体制について話してみる。
(「閉塞状態」とか「反対派」とか)

「閉塞状態、自体は子供の数が減って生徒が減っていく、ある意味仕方ないこと。それで聡美の時代になってから涼星高校に名前を変えてイメチェンを図ったけど、あまり効果はなくて」
 母さんは続けた。
「『女子』を取ったところである程度共学化は考えたのだろうけど、聡美、多分十分な準備をせずに拓真を受け入れたのだと、思う」

それは…編入した当初から感じていたことだ。
手続きはかなりスムーズに行ったけど、結構重要なことが抜けていたし、細かいところは男子向けではなかったり、僕が言うのも何だけど、この学校大丈夫かな?と思ったものだ。

「目標ができると突っ走っていくタイプだったから、聡美を止めるブレーキ役も必要だった。主にそれをやってたのが私」

「そうだったんだ…」
「…あれからだいぶ経ったし今は大丈夫かなあ、と思ったけど、やっぱり聡美は変わらないわね…」
 母さんは苦笑いした。
「止めればよかったかな」
 それは、あの高校に僕を編入するのを、ということか?
「母さん、僕は、あの高校に行けて、今とっても幸せだよ」
「わかってるよ。今やめさせたりはしない…でも、もし耐えられないようなことがあったら…耐える必要はないよ」
 
 今のところ、耐えられないこと、なんて予想もできなかった。
「ありがとう。でも、多分大丈夫。クラスみんなも味方だし」
「やめる、でなくても、私が力になれることがあったら、私から聡美に言うとか、するから、困ったら話してね」
「母さん、ありがとう」

 この母さんのところに生まれてきて、よかった。

 母さんは話を続けた。

「『反対派』は、主に準備が足りず、突然言われたから、ということは大きいと思う。拓真、もし男子高にいて『今日から女子が1人編入します』って言われたらどうする?」
「うーん、うれしいかな」

 きっとあの前の高校でそれがあったら、女子が来てうれしい、以前に、空気が変わるだろう。

「うん、拓真は嬉しいと思うかもしれない。でも、世の中そういう人ばかりじゃないよね」
確かに。
まして前の学校の教師なんて女性の存在すら否定していそうな輩が多い気がした。

「それに、もし私がそういう状況におかれたら、親の命令に背いてでも絶対に嫌だと言うな」

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