PiPi's World 投稿小説

君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 381
 383
の最後へ

君の人生、変えてあげる。 383

 歩いているうちに右前方にベンチが見えた。勝代さんに促されて座った。
 「それで、子愛さん側が仕掛けるかもしれないもう一つは『一条の行使』」
 「イチジョウ??」
 「生徒手帳持ってる?」
 僕は、生徒証明書と一緒に入っている生徒手帳を取り出した。
 「その中の、凉星高校生徒会会則のページを開いて、第一条を見て」
 僕はそのページを開いた。

 第一条:生徒総会は本会の最高議決機関である

 「これを行使する、ってどういうことですか?」
 「これは、つまり、生徒総会で決めることが何より強い、生徒会本部が何を決めても、委員長会議が何を決めても、生徒総会で止められる、ってこと」
 「あっ、え、でも…」
 「基本的に、選挙そのままの勢いで生徒総会があれば、選挙の結果そのままになるはず」

 僕は想像した。生徒会本部役員に立候補するとき“全校生徒の前で挨拶するよりは”と思った覚えがある。
 でも、全校生徒の前で何か話すのも、今なら、今の僕なら、できそうな気がしていた。

 勝代さんは続ける。
「これも管さん中心に検討しているみたい。もし、生徒総会開催要求が…これは、生徒の五十分の一の署名で要求できるから難しくない…出る兆候があったら、選挙後の生徒会本部で先手を打って有利な状況で生徒総会を開こうか、って」
正直な話、そこまでは考えていなかったし、生徒総会の存在も知らなかった。
勝代さんは選挙後…その後の大きな動きがあった場合まで考えていたのだ。

「菅さんとはあまり話したことがないからな、一度突っ込んだ話しないとなぁ…」
「僕で良ければ、セッティングしますよ」

 「そっか、うん、じゃあ、お願いしようかな」
 僕はスマホを取り出した。この場所は無事に三本立っている電波強度だ。
 僕は景さんにメッセージを送った。
 勝代さんを前にこんなこと思うのも何だが、景さんにも会いたかったし、さっきの「選挙前に誰かと二人で会うと誤解される」話を考えても、三人で会うことは適切そうだ、と思った。
「じゃあ、明日以降のどこかで。決まったら連絡しますね」
「ありがとう」
景さんの口ぶりからすると勝代さんとは交流がなさそうに思えたので、これがきっかけになればいいと思う。

勝代さんはうんと背伸びして微笑む。
「ねぇ、たっくん」
「はい?」
「外でしてみない?」
「え……?」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す