君の人生、変えてあげる。 345
「うああぁっ、最高、さいこうぅっ!」
景さんの声はさらに大きくなっていく。
僕も欲望のまま、気持ちいいままに、揉みつづけ、突き続け、やがて限界が近づいた。
「景さん、イキそうです!」
それとほぼ同時に発射し、そして僕は景さんに覆い被さるようにもう一度キスをした。
「幸せ」
「僕もです」
しばらくの後、僕はティッシュを使わせてもらって、シーツや景さんノブラウスが液で汚れないようにした。
「たっくん、シャワー浴びたいでしょ。浴びるなら、旧校舎の脇にあるから」
そこは確かに僕も使ったことがある。
「ホントはうちの寮の…といきたいところだけど…手間をかけさせてごめんね」
「いえ、全然」
景さんは服だけ着てベッドに座る。
「隣町の私立校ならシャワー付きの個室寮なんだけどね」
「あの高校は有名ですもんね」
その高校はよく知っている。
もし、自由に受験する高校を選べていたら狙ってみたいところの一つだった。
「行きたいとか思ってた?」
「うーん、あそこも結構息苦しいところみたいでしたからね」
これは多少後付けの言葉。あの酷い高校を経験する前の僕は、エリートコースみたいなところにちょっと憧れはあった。その隣町の高校もどちらかというとそれ系とされる。
男女ともいるのだが勉学を優先するためクラスからして男女を分ける別学で、異性はいても接点がまるで無い、という噂だった。
中学時代の僕はそうしたところは軽視していた。
もちろん女の子にモテたいという気持ちは当時から心の片隅にはあった。
好きなアイドルとか女優とかもそれなりにいたりする。
中学生までは友達ともそんな話を時々した。
まあ数ヶ月だけ地獄を味わい、ストイックな生活から開放されて、今そんな気持ちもまた湧き始めているかもしれないけど…
景さんのデスクにパソコンが置いてある。
壁紙は猫の写真のようだ。
「あ、気になった?あの子、実家で飼ってる子なんだ」
「何て名前なんですか?」
「なんか安直で恥ずかしいけど、みい、って呼んでた」
「かわいいじゃないですか」
景さんはしばらくディスプレイのみいちゃんを見つめた。
「たっくんは、猫好き?」
「はい。猫か犬か、と言われると、猫です…どっちも飼ったことないんですが」