君の人生、変えてあげる。 341
コーヒーを飲みながら景さんとなんていうこともない話をした。以前の緊張はもう無かった。もちろん敬語は変えていないがそれ以外はもう以前からの友達のように僕も話していた。
「じゃあ、そろそろ案内するよ」
コーヒーを飲み終わって二人で部屋を出る。
「ここが食堂」
誰もいなかった。
「広いですね」
「昔、もっとたくさん寮生がいたときの名残」
テーブルと椅子がずらりと並び、正面奥にカウンター、さらに厨房がある。
規模は違うけど、本校舎の食堂のような雰囲気がある。
カウンターの近くには大きなテレビもあった。
「食事しながらテレビも見れるよ」
「なんか…いいですね」
「寮の中を案内できるのは、今は限られてる。部屋に戻ろう」
再び景さんの部屋。
景さんはベッドの上に座る。
「こっちに来て、たっくん」
ベッドに座る、っていうことは、もうベッドの上に、っていう方向なんだ、部屋に呼ばれたときからある程度そういう期待はしていたけど、けっこう早くそこに進んだのにちょっと戸惑った。
僕は景さんが示したとおりに景さんの隣に座った。
景さんが僕の側に体を近づけた。
「あの日以来、ずっと、またこうしたい、って思ってたんだ」
そっともたれてくる景さんの身体を、優しく抱きしめる。
「私の方からおねだりしたら、そういう女なんだって思っちゃう?」
「いえ、全然。僕も、ちょっとだけ、期待してたので」
「ふふっ」
景さんがこちらをじっと見つめ、両腕を僕の背中に回す。
顔を近づけキスしようと試みた瞬間、景さんの力が勢い余って僕をベッドに押し倒してしまう。
景さんから覆い被さるように唇は重なった。それから、すぐにお互いに舌を入れ合う激しいキス。
僕は、両腕でも景さんを強く抱き寄せて応えた。
景さんは左手で僕の脚もベッドの上に載せるように促し、いったん離れて景さんもそうした。
僕たちはベッドに横たわって向かい合う。そして、すぐに続き。