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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 35

  僕は、パソコンをスリープモードから立ち上げた。

 明後日の天空タワー。デートプラン…みたいなの、考えるべきなのだろうか?
 でも、飛鳥ちゃんが誘ったんだ。デートじゃないかもしれないし、飛鳥ちゃんが何か考えてるのだろうし…

 でも…
 僕は、ネット上のQ&Aサイトに『デート?みたいなものに誘われた場合、プランを考えるかどうか』を質問しようとした。
「過去質問を見ろ」とか言われないよう、それに先だって、そのサイトを検索したが、結局よくわからなかった。
 そもそも、こういうサイトの「恋愛・人生相談」カテに集まっている人の文章を読んでいると、対人関係に不安があるのは僕だけじゃない、っていうのが分かるだけで、必ずしも参考にはならないような気がした。

 それよりも、天空タワー周辺の情報を集めた方がいくらかは生産的なような気がした。

 この晩は、その情報を集めて、夜は更けた。

 翌日、ちょっと早く学校に行って、生徒会本部室に寄った。
 会長の純さんは、窓の向こうの朝の光を背に、そこで何か資料を読んでいた。

 ノックして、入室許可を得た上で、僕は会長さんに面会した。

「あの…僕、本部役員に、立候補することにしました」

 純さんは、立ち上がって、僕の方に来た。
「ありがとう!一緒に、閉塞状態を打破しよう」
 純さんは、僕の両手を握って、握手した。
「じゃあ、クラスの選管に言ってね」

 僕は、綾さんが言った諸手続きを言葉では大体覚えていたが、具体的な動きはよく分からないところがいくつかあった。
「あの、推薦人1名、って聞いたんですけど、推薦人、って…?」
「ああ、規約聞いてるんだ。推薦人…は、あまり深く考える必要はないよ。だいたい、一番仲がいい人に推薦人になってもらう」


教室に戻り、席につきながら考える。
推薦人…一番仲の良い友達…ね。
飛鳥ちゃん、胡桃ちゃん、律ちゃん、茉莉菜ちゃん…みんな、僕が立候補すると言えば、推薦人を買って出てくれるだろう…
推薦人に誰がなるかで一大事になりそうな気がするな…

…そうだ。
同じく立候補すると言ったみさちゃんと綾ちゃんはどうしているのだろう…聞いてみようか。

「おはよう」
『おはよう』
 僕は教室に入った。
 まだ早目なので人はまばらだったが、みさちゃんはいた。
「みさちゃん、おはよう」
「おはよう、たっくん」
 みさちゃんは笑顔で迎えてくれた。
 僕は小声で言った。
「僕、生徒会本部役員に、立候補することにした。お姉さんには、さっき伝えた」

 みさちゃんは、お姉さんと同じような動作で僕の両手を握った。
「がんばろう!」
「それで…みさちゃん、次回改選の時立候補するって言ってたけど、推薦人どうするの?」

 みさちゃん、ちょっと考えた。
「うーん、それはまだ考えてなかった…」
「お姉さんを使ってもいいんじゃないの?」

 飛鳥ちゃんが、話を聞いていたのか、そのように指摘した。
 そして
「たっくん、本部役員に立候補するんだね。私も応援するよ!」
 と、目を輝かせて言った。

 みさちゃんは、ちょっと考えてから答えた。
「…それをやると、会長後継!っていう感じで、何か、大人の選挙みたいでちょっと変な感じ…しかも世襲…」
「会長後継!っていうのも、いいかと思ったけど、そう言われると、あまりいい方法ではないかも」

 そう思うと、みさちゃんとか秋ちゃんとか生徒会本部の関係者は除いた方がよさそうだ。 

「綾ちゃんは、立候補するとき推薦人どうするの?」

 本を読んでいた綾ちゃんは本にしおりを入れて閉じ、2,3秒、黙って僕の方を見た。
「たっくん、中学とか、前にいた高校に、選管は無かった?」
「あった」
「選管、って何の略?」
「ええと…選挙管理委員…あ!」
「選挙管理委員会も生徒会を構成する組織の一つだから私もそう思ってやっている。その“公正な選挙を行う”という性質上、もし私が本部役員に立候補するなら選管を他の人に代わってもらわないといけない」
「そうだよね」

 センカン、って音だけで認識していたのでよくわかっていなかったが、言われてみればそうだ。
「推薦人1名、って難しい…」
 僕は独り言のように言った。

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