君の人生、変えてあげる。 335
「あと…」
先生にも報告しておかないと。
「僕、生徒会副会長に、正式に立候補を届け出ました」
先生は両手を僕の両肩にポンと置いた。
「がんばって」
そのあと、先生は僕たち全体に向かって言った。
「ごはん、食べられた?」
「いいえ、実はまだ」
飛鳥ちゃんが代表して答えた。
「ゆっくり食べていらっしゃい。5時間目の現代文は少し遅めに始めます」
「ありがとうございます」
飛鳥ちゃんと思わず2人一緒に先生に頭を下げる。
「他のクラスや学年の子も、一応先生方に話はしておくから」
先生はそう言って食堂を後にした。
少し遅くなったが、僕らはお昼を食べた。
「それにしてもドラマみたいなノリだったな」
「結局あの人って何者だったの?」
「ああ、ネアさん、ね…」
「たっくんの親戚なの?」
「うーん、実はよく分からなくて。死んだ父さん側の親戚はあまり交流無いんだ」
飛鳥ちゃんの問いに僕はそう答えた。
「生徒会役員選挙 立候補するのかな」
「さっき秋ちゃんに連絡取ったところでは、副会長に接点のある子ではないみたい」
「6組が良くない集団って言われるの、ひょっとしたらアイツのせいじゃない?」
海里ちゃんが言う。
「みっちゃんも止めるのに大変そうだった」
「マギーさん…あの人はたっくんに普通に興味ありそうなだけ…まあいい人っぽいからネアってのよりはマシか」
胡桃ちゃんが腕組みして考え込む。
「いやー、それがマギーさん、あの人もキャラが厄介でね」
何故か苦笑いする歩ちゃん。
「何かあったの?」
「今言うのも何だけどさ、1組の子はたっくんと何人ヤったの?なんて聞かれてさ…困っちゃったよ…」
飛鳥ちゃんが指を折って小声で何か言っている。
「ええと、私の知ってる範囲で、18人かな。たっくん、合ってる?」
「えっ、ええっ、そんな!」
「アス!たっくん!そんなの真面目に答えなくていい!」
「そうだね…」
歩ちゃんは改めて話を続ける。
「そういう風に、下ネタ好きだったり、近づくにはちょっと注意したほうがいいのかも、っていう人なんだ」