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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 329

 まわりの皆の視線が自然に僕に集まってくるような気がした。そう、クラスでも小さい方ではない天音ちゃんに肩を貸しやすいのは、確かに男の僕かもしれなかった。
「はい。行ってきます」
「酒本君、お願い」

 僕は天音ちゃんに肩を貸して体育館を出た。天音ちゃん、けっこう左脚を痛そうにしている。

 「ありがとう…たっくん…」
 「痛い?」
 天音ちゃん、話すのは宿泊研修のシルバーアクセサリーのとき以来だった。
 「迷惑かけてごめん」
 「そんなことないよ」
体育館から保健室まではそれほど距離はなく、ゆっくり時間をかけても5分もかからなかった。

「失礼します」
転入して保健室に来たのは初めてだ。
「あら…体育の授業で怪我したのかしら?」
「はい…他の子とぶつかって、足を痛めたみたいです」

長い黒髪が印象的な先生。まだ若そうに見える。
「君が酒本くんね」
「あっ、はい」
「稲村愛美よ、よろしくね」

 「あ、はい、よろしくお願いします…それで、どうでしょう?天、いえ、さ、三本杉さん」 
 愛美先生は素早く天音ちゃん痛みのある場所を確認して、ベッドに寝かせ、患部を冷やす措置をとった。
 「大丈夫?」
 「うん、だいぶ…楽になった。大丈夫だから、たっくんは戻って。みんな待ってるから」
 「え、うん…でも…うん、じゃあ、後で寄るから」
天音ちゃんが大丈夫だと確認して、僕は体育館に戻る。
次の試合が始まっていて、僕のチームの子はまた手伝い業務。

「天音大丈夫だった?」
「うん、だいぶ痛みが治ってきたみたいだって」
「そっか、良かった」
凛ちゃんがホッと胸をなで下ろす。

 「梨奈ちゃん、あれから痛んだりしなかった?」
 「全然大丈夫!」
 梨奈ちゃんはその場で脚を動かしてみせた。

次なる相手チームは、胡桃ちゃん、栞ちゃん、秋ちゃん、楓ちゃん、莉緒ちゃん。
 「いくよ!エイ、エイ、オー」
 胡桃ちゃん中心に円陣を組んで盛り上げる。こっちも負けじと円陣を組んだ。

 さっきの試合では、僕はゴールすることがなかった。今度こそ。
 前に出ていこう。

 有佳ちゃん秋ちゃんのジャンプボールは有佳ちゃん。僕はボールの行った方向に走った。

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