君の人生、変えてあげる。 314
香里ちゃんの声が震え、掠れる。
なるべくリラックスさせようと、優しく頭をなでると、安心したような笑みを浮かべてくれる。
ただ、その瞳には光るものが見えた。
「脱がしていい?」
「あっ…自分で脱ぐから大丈夫」
香里ちゃんは制服を脱いでいく。
そして、いつもの着替えでそうであるように、香里ちゃんはためらいなくぜんぶ脱いでいった。
僕も、取り残されるわけにいかず、一気に脱いでいった。
僕たちは何も着けずに向かい合った。どちらからともなく抱き合い、互いの肌を感じあった。秋分近い日でもまだ少しは暑い。お互い汗のにおいも感じるが、そんなことはもうどうでもよかった。
「ああっ、たっくん…」
「香里ちゃん…」
抱き合い、少し離れながら、香里ちゃんの全身にキスを浴びせ、その手で全身を撫で回し、愛し合う。
「すごく気持ちいい…」
「香里ちゃん、ひとつになろうか…」
「ああっ、あ…たっくん…このまま…」
「…ベッド行こう」
香里ちゃんは視線でこの部屋の端のベッドを示した。
「うん」
僕は、両手で香里ちゃんを持ち上げた。
「ええぇ…」
すっとお姫様だっこができるなんて、自分でもびっくりする。
僕は、香里ちゃんをそっとベッドの上に横たえた。
「こんなことしてもらえるなんて、うれしい」
「自分でもビックリしてるよ」
香里ちゃんは特別小柄なわけではない。
以前の僕だったら絶対に考えられない力が…いつの間にか備わっていたのだろうか。
「香里ちゃん、僕って変われたのかな」
「…以前のたっくんは知らないけど、初日より随分変わったって印象はあるかも」