君の人生、変えてあげる。 285
次々と水泳部の方に挨拶される。
皆うちのクラスの子に負けないくらいの美少女なのでちょっと緊張する。
「恭子先輩は平泳ぎで全国大会上位の実績がある。なっちゃんとカナは背泳ぎの代表を争うライバルみたいな感じかな」
「やだなぁ、リナ、カナとはそんな…」
梨奈ちゃんが僕に説明すると、夏実ちゃん…が笑って会話に入ってきた。
そこに…
「酒本くんね。水泳部顧問の岩崎景子…宜しくね」
スレンダーで、スタイル良く、やはり速く泳ぎそうな感じの先生だ。
「よろしくお願いします」
「酒本君のことは、澤村先生から聞いているよ」
菜々子先生…僕は保健や体育の授業のことだけでなく、一度先生のマンションに行ったことも改めて思い出した。菜々子先生はどんな説明をしただろう?
そうして準備運動が始まる。
水泳部は一年、二年生合わせて20人ほど。
僕は梨奈ちゃんの隣で一緒に準備運動を行う。
「今日もそれぞれのメニューで…酒本くんは一番手前のレーンでいいかな」
岩崎先生にそう言われる。
「無理せず自分のペースでね。いつ休憩を入れてもOK」
僕は飛び込み台の手前まで来た。僕がいるレーンは、まだ名前のわからない二人の女子と計三人が使うようだった。
やはり、他のレーンはより速いペースで泳いているようだ。
後ろで待っている気配があるので、僕は急ぎ飛び込み台の上に立って急ぎ飛び込む。
そしてクロールで、25メートルプールを5往復くらい、一気に泳いだら、さすがに息が切れてきて、僕はプールの底に足をつけて、プールから上がった。
プールサイドには岩崎先生しかいなかった。
「普段泳いでいないにしては、上出来よ」
誰もいなくなった周りを見渡しながら、僕はプールから上がる。
運動神経はそこまで自信があるわけではないが、一応人並みには泳げる。
ちょっと褒められて悪い気はしなかった。
「他の皆さんは…」
「今日は軽めのトレーニングだけだから。もうプールから上がって軽いアフターケアとか、ミーティングとかで」
「そうですか」