君の人生、変えてあげる。 261
伊織ちゃんは薫ちゃんに対して微笑み、言葉を続ける。
「たっくんには私たちには知らない苦労がある。それを知ることができて、初めてたっくんと分かり合えた気がする。分かり合えた後は、特別な感情が生まれる…」
「伊織、もしかして…」
由佳里ちゃんは伊織ちゃんから何かを察したらしい。
「そして、その先」
伊織ちゃんが僕の肩に手を回し、抱きつく。
「由佳里は、中学の頃に少しだけでも付き合ってたでしょ、そのときに、経験はあった?」
「 ……うん。でも、四回だけ。」
由佳里ちゃんはこくんと頷くと、そう言ったんだ。
答えた由佳里ちゃんは、ちょっと迷ったようだった。でも、正直に言ってくれてることは疑いなかった。
伊織ちゃんたちは由佳里ちゃんを優しく見つめている。
その雰囲気には、由佳里ちゃんを包み込むような温かさがあって。
「確かにあの時は大好きな人だった、けど、高校に入ってからは連絡も全然しなくなって…自然に消滅しちゃった」
由佳里ちゃんはうつむきながら思い出すように言う。
「今は、たっくんのことが、好き」
由佳里ちゃんは僕に近づき、そっと唇を触れさせた。
視界の端の方で、薫ちゃんは椅子ごと一歩遠ざかって手で顔を覆ったようだった。
それでも、すぐに手をどけて、元の場所に近づいた。
「私は文芸部員なんだ。小説を書く人なんだ…私も、分かりたい」
薫ちゃんは僕と由佳里ちゃんを見つめながら、自らのバスタオルを背中から手をかけ始めた。
このような状況では僕だけ恥ずかしがってもいられない。
「ありがとう」
僕は由佳里ちゃんにキスを返しながら、股間を隠したタオルをそっと外した。
由佳里ちゃんがその瞬間を待っていたかのように手を伸ばしてくる。
「あっ」
「…たっくんの、すごく硬い。大きい…私の中で、一番…」
そのまま手でこね回すように動かす。
「由佳里ちゃん、それはちょっと…」
「気持ちいい?」
僕が思っていた以上に積極的な子だ。やっぱり経験があるからかな。
「たっくん、私も」
薫ちゃんが正面に座り込む。