君の人生、変えてあげる。 25
菜々子先生に家の近くまで車で送ってもらい、家に帰った。
自分の部屋で、貰った小箱を見る。
「練習…か」
これからどれだけの経験が出来るかわからないが、『練習』と決めて相手とするのは少し失礼なのかな…
でも、今日菜々子先生から教わったことは、心の中に留めておこう。
―翌日…
今日からみんなと一緒に体育の授業を受けるのだ。
前の学校で使っていたものを、と言われたので、それを引っ張り出してカバンに入れる。
…実は、もうひとつ…
今日は僕の誕生日なのだが…
学校に着くと、飛鳥ちゃんが近づいてきた。
「あ、あの、たっくん…誕生日なんだね…おめでとう…」
「ありがとう…でも、何で知ってるの?」
「偶然、職員室に呼ばれたときに…書類…の一部…見えちゃったんだ…ほんと一部だよ」
そのあたりでチャイムがなって、会話は途切れた。
一時間目、早速体育の水泳だ。
僕は、タオルを使って着替え始めるのだが…
タオルを使わなくなった女子、増えてる!沙羅ちゃんとか…
胡桃ちゃんは、下着を脱ぎながら「たっくんはけっこう泳げるの?」とか普通に話しかけてくる。
もう、鼻血が出ることはなかったが…タオルの下は当然大変なことになっている。
「またなっちゃってる?」
僕の顔を覗き込む胡桃ちゃん。
「恥ずかしがらなくていいんだよ、みんなわかっているからさ」
「う、うん…」
「見られるのはお互い様だし?」
後ろで声をあげたのは茉莉菜ちゃんだ。
「それに、たっくんのって結構立派だし、力強い感じがするし。」
なんか、褒めてくれてるのかな・・?
うっ?!
嫌な記憶が戻ってきた。
前の学校で、あいつらは僕のものを引き抜かんばかりに引っ張ったり、ライターであぶろうとしたんだ。実は火傷の痕も少し残ってる。
「あれ?これって?」
いつの間にか近くに来ていた飛鳥ちゃん。
うう。そのナイスバディで近づかれるとますます大きくなっちゃいます。
「酷い・・・ひょっとして、これも前の学校でやられたの?」
「うん・・・・・。」
飛鳥ちゃんは心底悲しそうな顔で僕のものを見ている。
「こんなことまでするなんて!」
「あいつら、人間じゃないわね!」
他の女の子たちも怒り騒ぎ出した。
「痛くないの?」
何もつけていない飛鳥ちゃんが、僕の傷跡をさすった。
「うん…もう…痛くはない」
けど、こんな状況でそこに触れられるなんて!もう少しで、先から汁が漏れてしまうのではないかと思った。
それは、こらえた。
「熱かったでしょう」
胡桃ちゃんは、しゃがんで、モノと同じくらいの高さに顔を持ってきてそう言った。
そして、全身すっぽりタオルの人も、下着脱ぎかけの人も、水着を途中まで着た人も、そして何もつけていない人も、僕の方に近づいてきた。