君の人生、変えてあげる。 235
その瞬間、一気に力が抜けて、僕のソコから熱いものが紗枝ちゃんの中に向けて放たれてしまった。
「ああ…出た…」
「たっくんの、あったかい…」
「ごめん、紗枝ちゃん、中に…」
「ううん、嬉しいよ。最初からこうして欲しかったから」
紗枝ちゃんはゆっくり立ち上がった。
さっき注ぎ込んだ液がしたたり落ちるように見えた。
「書いてて、自分がそうなったらどうなるかな、とか思っていろいろ想像していたんだけど…ぜんぜん当たってなかった」
「えっ?」
「ううん、いい意味で」
紗枝ちゃんは僕に、ニッコリと笑ってそう言った。
「たっくんとこうしてできたことで、私が書いてる作品もちょっと変わるかもしれないな」
「その良い意味だってことを信じたいな」
「もちろん…もっとリアルに描けるかもしれないかな」
行為を終えて、ゆっくり湯船に浸かる。
時間も経ったし疲れてきたので浴場からは出ることにしようと思った。
出るまでに、さらに3人くらいのほかのクラスの人の紹介を受けた。互いに握手したりした。
僕の下の方の反応も見られていただろうけど、それはあまり気にならなかった。
脱衣室に出て、浴室を振り返る。
こんな風景、こんな経験、数週間前まで、まったく考えられなかった。
これからも、あるのかな…でも、こんなにみんなと大勢でお風呂にはいることなんてめったにないだろう。
僕は、そう思いながらお風呂の方を眺めていた。
「たっくん、行くよ」
歩ちゃんたちだ。先に上がって、もう着がえていた。
「ああ、ごめん。待たせてた?」
「そんなことはないよ」
歩ちゃんたちの後に続いて脱衣所を出て、部屋に戻る。
来た直後から気づいたことだが、歩ちゃんたちの班の部屋はすっきりとして、荷物もみんなまとめられていた。
「合宿も今夜で終わりだからね」
伊織ちゃんが言う。
合宿で過ごした時間は長く感じられるようであっという間。
これが終われば生徒会選挙はすぐ目前まで迫ることになる。
僕は、事前に与えられた『宿題』をこなせているだろうか、少し考えた。