君の人生、変えてあげる。 229
横たわる沙奈恵ちゃんに覆い被さり、その綺麗な肌に手を伸ばす。
里枝ちゃんとは全然違う感じがする。
「ああっ、たっくん…」
「沙奈恵ちゃん、どうかな」
「まだドキドキする…こんなふうに触られるの初めてだから…」
「もっとリラックスして…」
僕の手は、沙奈恵ちゃんの頬から首筋、肩へと移動していき、目を閉じた沙奈恵ちゃんの緊張は和らいでいくようだった。
そして、僕の手は胸へと触れようとした。
「あ…」
「嫌?」
「ううん、そういうわけじゃなくて…」
「男の人にこんなことされるの初めてだから…どうすればいいのかわからないの…」
沙奈恵ちゃんは少し怯えたような顔をして、僕を見上げる。
「大丈夫…僕は沙奈恵ちゃんを大切にするから…」
「たっくん…」
僕はそっと胸を手で包み込んだ。
そして、僕にとっては久しぶりなくらい、丁寧に丁寧に、触れていった。
沙奈恵ちゃんは少しずつ、笑顔になっていくようだった。
「ねえ、たっくん」
「何?」
「たっくん、今日、いろんな女の子と会わなきゃならないんでしょう」
「えっ?」
「だから…」
沙奈恵ちゃんは、今までぴたりと閉じていた脚を、開き始めた。
「私だって、運動部の一員。体を使うことで…負けては…いられない…」
沙奈恵ちゃんは、かなり無理して、言っているようにも見えた。
「沙奈恵ちゃん、無理しなくていい」
「たっくん…」
「本当に大事なのは、沙奈恵ちゃんの身体だよ。無理して、我慢して、僕を受け入れても、僕が辛くなる」
「そ、そうだけど…」
また不安げな表情になる沙奈恵ちゃん。
「でも、私…たっくんのこと、好き…」