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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 210

飛鳥ちゃんはこの合宿が終わった後の事…生徒会選挙のことを考えていたようだ。
そう考えると、綾ちゃんの言葉は深い。心によりいっそう響いた。

「…まあ、しんみりした雰囲気は似合わないから、今はみんなで楽しむ時間」
綾ちゃんは少しだけ口角を上げて微笑んだ。
いつも無表情に近かった綾ちゃんがはっきりとした笑顔を見せるのは、僕が見た中ではたぶん初めてのことだ。

 その中でちょっと綾ちゃんと目が合った。僕も微笑んだ。


 そのあと、僕たちは、火山とそれによってつくられたこの辺の地形の部屋に移動した。
「ここの火山は、最後には数百年前に噴火したのだけど、地質学的には数百年なんてつい最近だから、いつまた噴火してもおかしくない」
 莉緒ちゃんが、あごに手を当ててそんなようなことを言った。

「この辺にたくさん温泉があるのも、地下が暖かいからだね」
 操ちゃんが、莉緒ちゃんと同じ方向、大きなこの辺の立体的な地図を見ながらつぶやく。

「最近、火山噴火の話多いからちょっと心配だよね」
最近、そんなニュースをよく聞くからちょっと心配になる。

「確かに…よく聞くよね」
「周辺で身体に感じるような地震が多いと注意が必要になる。あの山も火山ではあるけれど登山者には人気のある山だから…」
綾ちゃんがそう説明する。

「難しい。観光と防災のバランスを取るのは」
 綾ちゃんの言葉にみさちゃんが続ける。
「なんでも、何かあったら、おおやけの責任にしようとする人、自己責任だ、っていう人、両方いるけど、なんか、その中間のいい方法、ないのかなあ」
 しばらく、僕たちは黙って立ち止まってしまう。

(他の県で、ほぼノーマークに近かった火山が突然噴火して登山者数十人がお亡くなりになってしまった悲劇は、この数週間後に起こる)
難しい問題に直面すると人は黙り込んでしまう…相手が人間だろうと自然であろうとそれは同じだった。

「何にしても、自分のできることを考える。背伸びして無理な理想を追い求めちゃいけない」
飛鳥ちゃんが言う。

この博物館の見学はいろいろと考えさせられることがたくさんあった。

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