PiPi's World 投稿小説

君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 205
 207
の最後へ

君の人生、変えてあげる。 207

「七世先生もよく『正確に描くことが美術、というわけではない』のようなことを言ってるし」
「このモデルは実際にはどんな感じの人だったんだろう」
 飛鳥ちゃんをはじめ、美術選択の何人かがその絵の廻りに集まる。
「たっくんは、モデルの順番になったら、どうする?脱ぐ?」
 美術の最初の時間ならまだ迷いはあった。
 でも、もう迷いは無い。
「うん」


それを聞いて、飛鳥ちゃん以外のメンバーは少し驚いたような顔をした。
飛鳥ちゃんは表情変えず涼しい顔。

もう迷いはなかった。
以前の自分への訣別と、あの時皐ちゃんと交わした約束。
それを胸に、決めたのだ。

「たっくん、ここに来てから変わったよね」
「カッコよくなったね〜」
香里ちゃんと秋ちゃんが言う。

 この話が一段落したあと、少し離れたところで待っていてくれた学芸員の女性が再びちかづいてきた。
「普通科の高校でヌードのスケッチがあるのですか?珍しいですね」
「はい。うちの美術の先生の方針で…」
 飛鳥ちゃんが答える。
 そのあと、しばらくその方が美大生だったときの話が続き、次の部屋に着いた。
「ここは、こちらから見えるあの山々に関する絵を集めています」
「たっくんがこれから行くところあるかな?」
「さあ…どうだろう」
いっぺんに山といってもこの辺にはたくさんあるし。
初心者向け(と沙羅ちゃんは言っていた)のハイキングコースだからそんなに高い山ではなさそうだし。

「あの班は体力自慢が多いからなぁ」
「たっくん、頑張ってついていくんだよぉ」
莉緒ちゃんが苦笑いし、香里ちゃんは僕にちょっとプレッシャー?をかけてくる。

「大丈夫だよ。沙羅ちゃんはそこらへんも考えてる」
飛鳥ちゃんがキッパリ言う。

「行くコースって今分かります?」
 学芸員の方が、僕の様子を見てそのように聞いた。
 僕は記憶を頼りに、バスで行ってロープウエーで帰ってくるコースを説明した。
「それなら、そんなに心配するようなコースではないですよ」
 そう言った後、その方は一枚の絵の前に案内した。
「多分この景色のところを通ります」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す