君の人生、変えてあげる。 202
「(えっ?)」
一瞬何が起きたかわからなかった。
目の前の海里ちゃんは薄く瞳を開いて、僕に微笑んだ。
「たっくん…大好き」
そう小さく呟いて、また瞳を閉じ、眠りにつく。
びっくりしたけど、嬉しかった。
僕もそのまま眠りに落ち、気がついたら朝を迎えていた。
気がつくと、まわりの何人かはもうTシャツやジャージのズボンを着ている。
「おはよう!たっくん」
海里ちゃんは、ジャージのズボンを穿いている途中だった。
「おはよう」
「シャワー浴びにいこ」
「浴びられるんだっけ?ええと、男子も」
それは、汗とかかいたし浴びたいが、昨日の浴場にシャワーを浴びに行くのだが、朝については事前の説明でもとくに言及がなかった。
「浴びられない方が、おかしいと思う」
茉莉菜ちゃんがシャツを着ながら言う。
「…まあ、そうだろうね」
「時間とかは気にしなくていいよ。朝お風呂使うのは全員ってわけじゃないから。昨日の夜よりはすいてると思う」
僕もすぐにTシャツを着てジャージの下のズボンを穿いて、みんなと一緒に浴場へと向かう。
隣にくっつく海里ちゃんが、こっそりと手を繋いできた。
僕もそっと握り返した。
そして、昨日と同じ浴室の脱衣室の扉を開けた。
確かに、数人しか人がいない。
「たっくん、おはよう!今日よろしくね」
シャワーから上がったばかりで、バスタオルで髪を拭いている飛鳥ちゃんがこちらを見て明るく言った。
「うん、よろしくね」
振り向く姿といい、綺麗な長い黒髪といい、飛鳥ちゃんの姿にドキッとしてしまった。
女子の中では割と背が高く、スタイルもいい飛鳥ちゃんに思わず見惚れてしまう。
「たっくん、入ろ」
後ろから小声で海里ちゃんに言われた。
海里ちゃんはすでにジャージを脱ぎ始めていた。