君の人生、変えてあげる。 191
僕は、動いた。まわりがひそひそと話す声を背景に。
何回も、突いた。麗音ちゃんは歯を食いしばる。
「ううっ…」
「麗音ちゃん…」
「大丈夫…あぁ…あぁっ!」
麗音ちゃんの表情が安堵のものに変わった。
何度経験しても、この瞬間は、やはりほっとする。
「ああ…たっくん、気持ちいい…」
「麗音ちゃん、僕も、すごく気持ちいいよ」
徐々に動きを早めていく。
周りのみんなの視線を感じる。
「麗音ちゃん…いくよ…」
「ああっ、たっくん、うああ、ああっ!!」
「ああっ…イッた!」
「たっくん!」
僕は限界を迎え、そしてゆっくりと、動きのスピードを落としていった。
「たっくん…ありがとう…これで、うらやましいとか…もう思わない…」
麗音ちゃんは目を潤ませてそう言った。
そういう麗音ちゃんと、最後にもう一度だけキスを交わし、離れた。
「たっくん、そろそろあがろうか」
「うん」
胡桃ちゃんが声をかけてくる。
結構時間も経ったし、ちょっと疲れも来ていたからちょうどよかった。
僕が風呂場を後にすると、さっき深い仲になれたルイちゃんが軽く手を振っていた。
風呂場を出る直前に、飛鳥ちゃんが胡桃ちゃんに何か耳打ちしていた。
「アスが『今回はやり方としてはあまりよくなかったかも。明日のお風呂は、仲良く、といってもこういう形でないように考える』って言ってた」
胡桃ちゃんは、部屋に戻る途中でそんなようなことを言った。
そうだよな。ほかのクラスの人と仲良くなるチャンス、なのだから、こんな風以外にももっと多くの人と仲良くなる方がいいだろうな。
それに、間を空けず二回は、ちょっと疲れた。
部屋に戻って扉を閉めるなり、海里ちゃんと有佳ちゃんは僕に近づいてきた。
「さあ、続き」