PiPi's World 投稿小説

君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 173
 175
の最後へ

君の人生、変えてあげる。 175

 この『体験学習センター』では、他にも、ドライフラワーのアレンジメントとか、天然石のアクセサリーとか、陶芸とか、いろいろな体験コースがあった。
 僕たちが行くシルバーアクセサリーのコースは、他のクラスの一つの班も来ていた。
 「あの班は、確か6組」
 麻由ちゃんが小声で言った。
 座っても、その班からの視線は、ちょっと感じる。

 シルバーアクセサリーづくりは、粘土のような銀を、まずリングのようにして、焼くところから始まった。

 そして、焼けるまで待っている間、完成品に入れる文字を考えるのだった。
「…何て入れようかな?」
特に思い浮かぶものが見つからず、僕はみんなに聞いてみた。

「そうだなぁ…自分の名前とかが普通かなぁ」
「今日の日付なんかも入れてね」
みかちゃんと楓ちゃんが次々に言う。

「せっかくだから、みんなで同じものを入れようか?」
そう提案したのは天音ちゃんだ。

 「うん、そうだね!…アルファベットで入れるのだけど、英語だとありきたりだから、フランス語とか、ラテン語とか、入れていた人はいた。私がやったときには」
 みかちゃんが言う。
 「ラテン語?!知ってるの?」
 「いやぁ…調べるのだけどね」

 僕たちは、どんな言葉がいいか、しばらくいろいろ案を出し合った。
 その過程で、僕は、きのうの、ひーちゃんが最後に言った「私たちの…平和が、これからも続きますように」を、思い出した。
 「平和…みかちゃん、平和って、ラテン語で、なんていうの?」
 みかちゃんはスマホを操作し、
 「パックス。ピー、エー、エックス」
 パックス…パックス ロマーナ という言葉はなんとなく覚えがある。意味はよく覚えていないけど。


「Pax…平和、ね。確かにいいかも。でもたっくん、どうしてその言葉を?」
麻由ちゃんが聞いてくる。

ふっと浮かんだことだったが、ちょっと考えて
「うん…僕たちのクラスが、このまま、何事もなく仲良く続いていったらいいなって思ってね」

「そ、そうだよね…で、でももパックスって、パックス ロマーナのパックスでしょ…大国が力で抑えるようなイメージとか…」
 理恵ちゃんがそう言うと、みかちゃんはさらにスマホを操作した

「うーん、そうとは、限らないんだけど、そういうイメージでも仕方ないのかも…」

 しばらく、皆、次の言葉を考えた。

「じゃあ、友情、とかは?仲良く続いていくように、なら友情もいいかも」
 しばらくして、天音ちゃんが言う

「ええと…amicitia…アミチーティアだって」
「アミーゴとかの仲間の言葉だね」

 これは、採用となった。

 その時輪の端の方にいた麻由ちゃんのところに、もう一つの班…6組の…から一人近づいてきて、何か話していた。
「なんか聞かれたの?」
「うん、なんていう文字にしたのか、とか、だけど」
 麻由ちゃん、少し小声になって
「たぶん、こっちが気になるんだと思う」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す