君の人生、変えてあげる。 174
その後しばらくして、バスは目的地に到着して止まる。
お昼を食べた後、理恵子ちゃんたちB班の子たちとシルバーアクセサリー作りをするのだ。
その前にもうちょっとみんなと話しておきたいなと思い、僕はB班のみんなと合流する。
バスは泊まるホテルの前に止まった。「歓迎 涼星高校 御一行様」と書かれた看板を見ながら僕たちはホテルに入って、まずは荷物を置く。
今晩は胡桃ちゃんのところの部屋に泊まるので、僕はそこに荷物を置いた。
1組のメンバーが泊まる部屋は並んでいるので、位置関係はすぐに分かった。僕はすぐに理恵ちゃんの班に追いついた。
「ジャ○○○が好きなの?」
僕は、後ろの方にいた森海咲ちゃんに声をかけた。学校にいるときから目にはついていたが、森海咲ちゃんは、バッグに男性のイケメンアイドルと思われる缶バッチを付けていたりした。今回も今持っているサブバッグはそうだった。
「そう… …っていうグループの…」
そのグループは、比較的最近できたものらしく、僕はあまり聞いたことが無かった。
「海咲ちゃん、以前は口を開けばこの人、っていうくらい夢中だったけど、最近はそうでもなくなったんだ。身近にイケメンが現れたからかな」
麻由ちゃんがちょっと笑って言った。
「ちょっと、マユ、やめてよぉ…」
などと口を尖らす海咲ちゃんだが、その顔は笑っていた。
そのうちに理恵ちゃん、楓ちゃん、天音ちゃん、みかちゃんも集まってB班のメンバー全員が揃った。
「えっと…たっくん、今日はよろしくお願いします」
「うん、よろしく」
理恵ちゃんの眼鏡が微妙に違う。
いつもは黒縁の眼鏡だが、今日はシルバーのノンフレームのものだ。
「理恵ちゃん、眼鏡変わったね」
「あ、ありがとう…気づいてくれて…どう…かなぁ」
「似合うよ」
それは、本心からそう思った。
理恵ちゃんは不安げな表情から急速に笑顔になっていった。
「あ、ありがとう…」
ホテル内の説明があった後、B班で集まった状態で、ホテルの食堂で簡単な昼食を摂る。
お昼をとった後、すぐ近くの建物に移動する。
『体験学習センター』、ここで今回のシルバーアクセ作りを行うのだ。
「楽しみだね」
「うん!」
このプランを提案してくれた天音ちゃんに言うと、可愛らしい笑顔を見せてくれた。