君の人生、変えてあげる。 173
昼食後は、すぐ帰った。
平日昼間こんな早い時間に家にいるのは久しぶりで、ちょっと変な気がしたが、週末忙しかった分、のんびりできたのはよかった。
夜は、ワクワク感で、なかなか眠れなかったが、いつの間にか、眠りに落ちた…
翌朝。
学校前からクラスごとのバスに乗る。
バスの席は基本的に班ごとで、僕は、奇数人のE班の中に入って歩ちゃんの隣の通路側になった。
バスの中は賑やかだ。
バスガイドの人が車内に音楽を流し、あちらこちらで会話が盛り上がる。
「いい天気で良かったね〜」
「そうだね」
隣の歩ちゃんとそう話す。
ガイドさんはもちろん、運転手の方も女の人だったので、車内にいる男は僕だけだ。
「ところで、この学校は、女子高ではないのですか?」
高速に乗ったあと、バスガイドさんが、なんとなく僕の方を見て言った。
「ええと…」
僕が口の中で言っていると、斜め右の方から飛鳥ちゃんが手短に事情を説明してくれた。
「そうなんですか!それは、大変ではないですか?女子ばっかりで、肩身狭いことは、ありませんか?」
今度はガイドさん、明確に僕の方を見て言った。
「あっ…いえ、クラスのみんな、とても優しくしてくれるし、すごく楽しいですよ」
ちょっと戸惑ったけど、本当のことを言った。
今が楽しいのには間違いはないのだから。
隣の歩ちゃんも笑顔。
飛鳥ちゃんもこちらを振り向いて、笑顔で親指を立てた。
そのうちに、歩ちゃんがUNOを取り出して、簡単にルールを説明してくれた。
後ろの、ひーちゃん、鈴ちゃんと4人で何回かやってみた。
バスの席に座りながらではちょっとやりにくいけど、だんだんルールをつかむことはできた。
そのうちに、高速から降りた。もうすっかり山が近くなっている。