君の人生、変えてあげる。 170
莉緒ちゃんは、その地層や化石のこと、そして、それもその博物館のテーマの一つである、その高原を作った火山の話を熱っぽく語った。
「それで、たっくんは、食事の後、沙羅ちゃんのところの班に合流してその山を歩くんだけど…」
飛鳥ちゃんは、莉緒ちゃんの話が一段落した後、再び地図を示した。
「食事は、この辺で…たっくん、食べられないものとかはある?」
「特に、ないかな」
「じゃあ、このパスタ店でどう?」
飛鳥ちゃんがガイドブックのページを示した。
「うん、いいと思うよ」
「うん、じゃあ、バス停はここ、食事をちょっと早めに切り上げてもらって『展望台』行きのバスで終点で降りて。そこで、沙羅ちゃんの班に合流する」
これで2日目午前の計画はだいたい決まった。
地図でお昼を食べる店とバス停の位置を確認しながらこの次、沙羅ちゃんたちの班のところへ。
「たっくん、よろしく」
「うん、よろしくね」
2日目の午後はこの班と一緒にハイキングだったね。
この班、沙羅ちゃん以外の五人とはまだ話したことがない。
沙羅ちゃんと仲がいいこの人たちは、確か運動部、と聞いたことがある。
「たっくん、まず、この班のメンバーをあらためて紹介した方がいいのかな?」
「お願いします」
沙羅ちゃんは、まず一番左にいた、かなり痩せた、というか、引き締まった、人を示した。
「小室 梨奈。水泳部」
「よろしく」
「吉富 文乃。剣道部」
「よろしくね」
2人とも運動部のアスリートらしく、引き締まった身体つきだ。
梨奈ちゃんも文乃ちゃんも僕よりも背が高い。
「沙羅ちゃんって部活何だっけ?」
「私は陸上部だよ。それで、こっちが同じ陸上部の杉江純菜」
「よろしくね」
ポニーテールの女の子が笑顔で言う。
「沙羅ちゃん、純菜ちゃん…で、いいのかな? は種目は何を?」
とは言っても、あんまり詳しいわけじゃないけど。
「私は短距離なんだ」
「私は長距離」
「純菜ちゃん、マラソンとかやるの?すごい…」
「フルはまだ走ったことないけどね」
純菜ちゃんは、ちょっとうつむいて笑った。
「そして、登山と言えばこの子、のワンダーフォーゲル部の清田 柚希」
「よろしく」
登山、というだけに、どちらかというと体格がいい。よく日焼けしている。
「ワンダーフォーゲル、って?」
「登山、よりもう少し広い意味を含む言葉かな」