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君の人生、変えてあげる。
官能リレー小説 - 学園物

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君の人生、変えてあげる。 17

 確か1時間目は担任の深沢先生の古典の予定だったような気がするので、深沢先生が配慮してくれたのだろう。

 とはいえ、一応は、勉強モードに入っていたのでまずは勉強のことが頭に浮かんでいた。

 朝のショートホームルームの後、昨日に引き続き、飛鳥ちゃんが黒板の前に立つ。
「では、今日の1時間目は、転校生、酒本君が、来たことで、いろいろ悩んでいること、困っていることもあると思うので、ここで相談してもらおう、というホームルームです…酒本君、まず、困っていることは?」

 僕は、立ち上がって、考えていた勉強のことを言った。

「僕は…ちょっと勉強はブランクがあるので、特に数学が、よくわからなくて、困っています」

 飛鳥ちゃんは黒板に「数学」と書いた。

「数学以外は大丈夫?一応、時間割にある全部の科目を書いてみるので、一つ一つ大丈夫かどうか、確認しよう。たっ…いや、酒本君がついてこられない科目があったら困るでしょう」
 飛鳥ちゃんはそう言って「数学」の下に次のことを書いていった。

現代文
古典
英語
音楽/美術
世界史
地理
現代社会
理科総合
情報
保健
体育
総合学習

「そうだなぁ…理科もやる内容によってはちょっと苦手なところもあるかな…」
「理数系だよね…私も自信ないや」
飛鳥ちゃんも腕組みして俯く。

「理数系ならリオが大得意じゃんっ」
「えへへ、そうでもないよー」
ひーちゃんこと陽菜子ちゃんに肘で小突かれる女の子。
茶髪でかなりの癖っ毛が目立つ彼女…松橋莉緒ちゃんか…

「では、松橋さん、酒本君に理数系の科目で分からないところあったら教えてあげてもらっていい?」
「はい、できる範囲でなら、よろこんで!」

 まわりからちょっと拍手が起こって、莉緒ちゃんは顔を赤らめたようだった。
「理科総合は今はどこをやっているの?」
 僕は莉緒ちゃんに向かって聞いた。
 莉緒ちゃんは教科書をめくった。
「『人間生活の中の科学』の『物質の科学』に入るところだよ」

 うーん、そのあたりは…ちょっと苦手分野だ。

「あと『情報』はどんな内容?コンピューター室に行くの?」

 前の高校では、その辺の教育も自慢にしていたので、簡単なプログラミングの話まであったのだ。

 話し合いのお堅い雰囲気はだんだん無くなってきたので僕も普通のしゃべり方にした。
「そう。古いパソコンだけどね。今はExcelをやってるよ」
 飛鳥ちゃんが答える。
「マクロとか組むの?」
「まだそんな高度なのはやってない…酒本君はExcelは?」
「家でちょっと使ってる」 
「もしかしたら、私たちよりExcel詳しいかもしれない…教えてくれる…私たちに」
「もちろん、できる範囲なら」

 再び、拍手が起こった。

ついでながら、茉莉菜ちゃんから情報の教科書を見せてもらう。
「…へぇ、やってることは初歩的なことだね」
「たっくんて、パソコン普段から使うんだ」
左隣、鈴ちゃんがそう言ってきた。
「うん、暇なときは部屋でパソコン弄ってることが多いかな。ほとんどはネットかゲームだけど…いずれ自作PC組んでみたいなーって思ってるんだけど」
「うお…自作できるんか…」

壇上の飛鳥ちゃんが話を続ける。
「たっくん、他に気になることはない?」
…あ、呼び方がフランクになった。
「そうだなぁ…じゃあ二つあるけど」
「ん、何でもいいよー」

「美術と音楽はどちらかを選ぶんだよね?それと、総合学習って、どんなことをやってるのかなって」

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