君の人生、変えてあげる。 130
再びお風呂へ。
二度目となるとみんな慣れたのか、それぞれ思い思いの行動に出る。
湯船に浸かったり、シャワーを浴びたり…
僕は端っこにもたれて、身体を大きく伸ばしていた。
「たっくん」
そんな僕の隣に、胡桃ちゃんがやってきた。
「洗い合って…みようか…」
胡桃ちゃんにしては、自信なさげに、下を向いてそう言った。
「えっ?」
僕は、よくわからずに、聞き返した。
「嫌?」
「え、あ、そういうことじゃなくて」
僕は、胡桃ちゃんと初めて一緒にシャワーを浴びたときを思い出した。あのときは、まだ、洗い合う、なんていう状況では、なかった。
…でも、今なら出来るかな。
「うん、やろうか」
「ありがと」
胡桃ちゃんはニコッと微笑んだ。
大浴場の隅っこにシャワーと洗い場がある。
そこに2人で腰掛けた。
「ええと…どうすればいいんだろう」
「たっくんは座ってていいよ。私がまず、たっくんを洗ってあげる」
胡桃ちゃんはそういうと、ボディーソープを手にとって、泡立て始めた。
そして、下を向きながら、僕の背中から、洗う、というよりはなでるようにボディーソープをつけていった。
「たっくん、手を伸ばして」
僕が手を伸ばすと、片腕ずつ、それを続けていった。
胡桃ちゃんは丁寧に、ゆっくりと僕の身体をボディーソープの泡でいっぱいにしていく。
たまに胡桃ちゃんが僕に密着するので、何も隠すもののない胸が背中に直接当たる。
…恥ずかしながら、反応するところが、反応してしまう。
「そっち側も行くから…一緒に洗いっこする?」
「あ、えっ…」
一瞬答えに迷う。