君の人生、変えてあげる。 109
公約の話もあるし、いつかは会わないと、と思っていたが、まだ心の準備はできていない…
「お嬢様、プールで冷えられませんでしたか?お風呂の用意が整っております」
「ありがとう」
僕たちは、茉莉菜ちゃんについていって、その部屋の前に来た。
「ここが脱衣室」
そう言って入っていく茉莉菜ちゃんたちの後ろから、僕は言った。
「あ、じゃあ、僕はこの辺で待ってる」
「えっ、一緒に入ろうよ」
「えっ、ええっ…」
僕が何か言う前に、葵ちゃんが、そう言って一歩後ずさりした。
「いつもは、みんなと一緒に着替えてるんでしょ?」
「まあ、そうだけど…」
葵ちゃんの純粋で一直線な眼差しに、言葉が出ない。
「なんだよぅ、いつものたっくんらしくないなー、これからお風呂なんだからどうせ変わらないじゃん」
後ろから胡桃ちゃんが背中をポンと叩く。
みんなと一緒なのはいつもの通りなんだけど、こと葵ちゃんという存在が、僕の心を揺さぶるのだ。
「私も、1組の人と同じくらい、たっくんと仲良くなりたい!」
さらに、葵ちゃんが、そう言って、僕の腕を取って、ドアの向こうに進んだ。
脱衣室だけで教室の半分くらいある。結構広い…と観察するまもなく、目の前の葵ちゃんは、速やかに着けているものを取り去った。
…プールでも、水着の上からでもはっきりわかったあの豊か過ぎる胸が、目の前に。
視線は釘付けにされ、股間がビクンと反応してしまう。
…いけない、僕も準備しないと
そう思って身体を反対方向に向けると、同じように服を脱いだ奈緒ちゃんの姿が…
モデルのように背が高く、すらっとした身体は本当に綺麗だ…
僕も脱ぎ終わり、ほどなく最後に入った胡桃ちゃんも脱ぎ終わった。
茉莉菜ちゃん律ちゃん奈緒ちゃんはもう浴室に入っていて、水音が聞こえる。
「いこう」
胡桃ちゃんの声と共に、僕と葵ちゃんは浴室へと進んだ。
やはり広い。浴槽は、この6人で入っても十分お釣りが来る。
扉を閉め、ふと葵ちゃんを見ると、少し顔を赤らめて、床を見ているような視線だった。
「葵、男の人の見るの、はじめて?」
胡桃ちゃんがそう聞いた。