君の人生、変えてあげる。 107
そう、着替えのときのこと、「責任とる」といってくれたあとの放課後のこと…
胡桃ちゃんが、始まりだった…
葵ちゃんが腕を絡めてきて、モノは反応していたが、その回想で、それはさらに大きくなった。
この海パンで、それが目立たないかと、僕はちょっと不安になり、回想を打ち消した。
そうこうしているうちに僕らの順番が来た。
係員の人に促され、浮き輪の形をした乗り物に葵ちゃんと2人で乗る。
「じゃあ、行くね」
「うん」
勢いをつけて、スライダーを降りていった。
時間にして僅かなものだったが、とても楽しかった。
左腕には、葵ちゃんの胸の、両脚には葵ちゃんの体の感触が、まだ残っていた。
乗ったとき、葵ちゃんは、僕の両脚の間にぴったりくっつくように座った。最初、僕は両手とも浮き輪の取っ手を持ったが、葵ちゃんから、ちょっと怖いからしっかり支えて、のようなことを言われて、左腕で葵ちゃんの胸を抱えるような感じになったのだった。
そんな流れで、滑り終わってからもしばらく葵ちゃんとの会話が続いた。
「よかった。たっくん、葵とすっかり仲良くなって」
胡桃ちゃんが僕の隣に来てそう言った。
「私も、すごく嬉しいな、胡桃には感謝しないと」
「いやいや」
ホントに仲が良いんだなぁ、この2人。
その後、律ちゃんや胡桃ちゃんとも一緒にスライダーを滑ったりして楽しむ。
あっという間に時間は過ぎた。
「このあと、私のうちに来て夕食でも、っていう話をしてるんだけど、たっくんもどう?」
茉莉菜ちゃんが笑顔でそう言った。
茉莉菜ちゃんの家…僕は心の中で後ずさりした。
あのような車があるところ…どんな豪邸なんだろう?!
「みんなを車でご案内するよ」
「あの、僕、自転車で来て…」
「自転車一台くらいならトランクに積んでいけばいい」