君の人生、変えてあげる。 106
と、言う胡桃ちゃんに
「へへ、いいねー」
「負けても恨みっこなしだからなー」
提案に乗る律ちゃんと茉莉菜ちゃん。
ちょうど僕と女の子5人、二人用であぶれることはない。
奈緒ちゃんは笑顔の中にしたたかさが眠っているよう、葵ちゃんは照れ気味。
「いくよ、じゃーんけーん…」
さあ、結果は…
何度かのあいこのあと、葵ちゃんと律ちゃんが勝ち抜け、最後に葵ちゃんが勝った。
「あ、なんか、ごめん。隣からいきなり来た感じなのに…」
「気にしないで。公平に決まったんだから」
律ちゃんはちょっとの間下を向いていたが、すぐに胡桃ちゃんに顔を向けてこう言った。
「じゃあ、私、次にたっくんと滑る、でいい?」
律ちゃんの言葉に対して
「うん、いいよ…次があればね」
「何だその意味深な顔と言葉は!?」
「冗談冗談。私は別にいいよ、後はたっくんに聞いて」
胡桃ちゃんは笑ってそう返す。
「たっくん?」
律ちゃんがこちらを振り向く。
「いいよ、次、行こうね」
「うん!」
まあ、期待には応えないと。
「じゃあたっくん、よろしくね♪」
葵ちゃんが腕を絡めてきた。
葵ちゃんのバストが近づく。さすがにドキドキする。
何か、話さなくては…
「あの、葵ちゃん、胡桃ちゃんの幼なじみなんだって? 」
「うんっ。幼稚園のころから、家が…で」
葵ちゃんは市内のある地名を言った。
「二人で揃って涼星の初等科に入ったんだ」
その地名は知っている。結構高級な住宅地なので、幼なじみが揃って小学校から同じ私立、というのも、なるほどと思った。
「胡桃ちゃんとは昔から仲が良かったんだ」
「家がお隣なんだ」
そこまで近いのか。
「たっくんも、胡桃ちゃんと仲良くなったんだね」
「僕がこうしていられるのも、胡桃ちゃんのおかげだよ」
「そっかあ…」