君の人生、変えてあげる。 105
確かに、最初は戸惑ったけど、あの環境が続いたらいい、と今は思う。
そして、それがひろがったらいいな、とちょっと妄想したりもする。
男性用更衣室で、律ちゃんから借りた袋を開ける…うん、確かに、学校のよりはるかにかっこいい…
黒と青が基調の海パン…というより、サーフパンツというべきか。
うん、これは確かにいい…
個人的にこういうのを買っておけば良かったかもしれない。
まあとにかく、律ちゃんに感謝だ。
このサーフパンツを穿いて、更衣室からプールに向かう。
入り口近くで待っていると、みんなも出てきた。
皆、色とりどりの、セパレートの水着をつけていた。
僕は、思わず唾を飲み込んだ。
特に、葵ちゃんの薄い紫の水着。そこからこぼれそうな胸は、この中では一番大きいだろう。
そして、その後ろに目を転じると、遠くからも見えたウォータースライダー。
税金でこんな大きいの作るから無駄遣いと言われる…まあ、それが安く使えるのだから、僕たちとしては市に感謝なのだが…
「お待たせ〜」
「たっくん、どうかなぁ?」
そう言いながら、目の前でポーズを取る胡桃ちゃん。
「うん、すごく似合ってると思うよ」
「たっくんも似合ってるよー、穿いてくれたんだね」
律ちゃんが僕のサーフパンツを見て言う。
「律ちゃん、ありがとう」
「気に入った?たっくんにあげるよ」
そう言ってもらえると嬉しい。
みんな揃ったところで、プールに向かう。
可愛い女の子に囲まれて、周りの視線も気になるけど、楽しいからまあいいか。
適当に準備体操をして、しばらく水の中にいたあと、胡桃ちゃんが、
「スライダーに並ぼう」
と言った。
僕たちはスライダーに向かって歩いていった。専用の浮き輪に乗るタイプで、浮き輪は一人用と二人用があった。
「ねえ、誰が最初にたっくんと滑るか、ジャンケンしない?」