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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 98

そんな「通」なチョイスをしてくる亜里沙さんに、ハヤトさんも一目置いているのか、こちらも飛ばす眼光が鋭い。
…いや、食事なんだからもっと落ち着きましょうよ。

…それにしても美味しかった。
姫さんではないが、ここまで美味しいお寿司を食べたのは初めてだ。
海と港に近いこの別荘の立地に感謝するほかない。

「日が暮れる頃にお祭りが始まるよ」
そうあやせさんが教えてくれる。

外の状況を見る。まだ時間はありそうだ。
お祭りに花火か。ちょうどいいときに来られてよかった。
そういえばお昼に見たお手伝いさんはこのお祭りにも手伝いで参加しているらしい。
忙しそうだが、どこかで会えるだろうか。

「ん…おっ」
テレビがプロ野球中継を映し出している。
『スリーランホームラン!いきなり3点を先制しました!』
おおー、今年は強いなぁー。

「へえ〜…樹くんってカープファンなのね〜…」
頬が緩んでいたのか…早紀さんに指摘されてハッとした。

「だけどさー、ヘルダイバーズ相手に今年のカープってメチャ強くない?」
歩さんが割り込んできた。
愛知ヘルダイバーズ。
親会社が昔急降下爆撃機を造ってたからこんな球団名になったとか。
愛称を訳すると「命知らずの地獄行き野郎ども」。なかなか勇壮だ。
でもヘルダイバーって当時敵だったアメリカの急降下爆撃機の名前だよね。
対抗して彗星や流星を造ってた会社の球団名としては、いいのかな・・・ってちょっと思う。
でも中部地方の人にとってはドラゴンズと並んで地元球団として大切に思われている。

『センターオーバーのツーベース!5番平塚、再びチャンスをつくりました!』
TVではカープの5番、平塚が出塁していた。
ふと茜さんを見ると、渋い顔をしていた。
やっぱり中部地方のチームが負けているのを見るのは気分が良くないみたいだ。

打線爆発は嬉しいことですが、茜さんの気持ちも慮ると喜ぶ気持ちをセーブしなければ。
…地元企業だけに球団のスポンサーにもなっているのだろうし。

野球中継に見入っているうちに外が暗くなってきた。
「そろそろ屋台も開く頃ですかね」
ハヤトさんが言う。
「花火あるんだし、浴衣持ってくればよかったかな」
小坂井(妹)、茉莉亜さんが言った。

「まあ、気分を味わえればいいし、盆踊りに参加するわけじゃないんだからいいんじゃない?」
「ですよねー」
真希さんの言葉に納得する茉莉亜さん。

「さぁ、みんなでお祭りに繰り出しますかぁ!!」
「いえっさー」
茜さんの掛け声に応じるは姫さん。
やっぱりなんだかんだで仲がいいな。

別荘のある丘から坂道を下ると、お祭り特有の屋台がずらりと並び、あちこちからいい匂いが漂う。
「おおぉ、お祭り最高ですなぁ〜」
歩さん、あれだけお寿司食べて、まだ胃袋に余裕あるんですねぇ。

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