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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 1

私立桜樹台(おうじゅだい)高校。
学校創立20年目を迎えたこの春から男子生徒も入学可能となり、共学校となった。


『1年A組の穂積樹くん、至急生徒会室まで来てください』

―入学して1ヵ月半ほどが経つ。
「…生徒会が僕に何の用だよ」
もう授業も終わり、部活にも入っていない僕・穂積樹は、帰り支度の最中にこの呼び出しの放送を聞いた。

桜樹台高校生徒会。
そのシステムは少し…というよりは、かなり異質だ。
なぜなら、生徒会役員が校内生徒の人気投票で決まるからだ。
某アイドルグループの総選挙とか、プロ野球のオールスターの出場選手とか、有馬記念の出走馬とかを決めるファン投票を、学校の生徒会でやっちゃってるわけだ。

去年までは女子校だったこの高校、投票で選ばれるのは当然ながら?可愛い女の子。
生徒会役員に相応しいかとか、そういうことはあまり関係ない。
中には辞退する生徒もいるそうだが、大抵は投票の結果どおりの生徒会が発足する。

―この生徒会役員選挙が、先週行われた。
特に興味もなければ、この制度をどこかバカバカしいと思っていた僕は投票権を放棄してそそくさと家に帰っていた。

…だから、生徒会に呼び出される理由なんて、ないはずなのだ。

…かといって、呼び出しを無視すると怖いので、仕方なく生徒会室に向かう。

生徒会の面々、当然ながら全員女子だ。
確か同じクラスの子が一人いたはずだが、あまり喋ったことがないからよくわからない。
…そもそも、僕自身、女子と仲良くなったことがあまりない。

不安だらけのまま、生徒会室の前に来た。
ドアをノックする。

「ご先祖様、お守りください。」
万一の時のために携えている、先祖伝来の脇差を服の上から握りしめる。
同時に中から声があった。
「どうぞ。」
鈴を転がすようなきれいな声だ。
意を決して僕は扉を開いた。

ドアを開ける。
部屋の真ん中の長机を囲んで、6人の女子生徒が座っている。

「初めまして、穂積樹くん。そして、桜樹台生徒会にようこそ」
僕から見て一番奥に座る少女が微笑みながら言う。
先程の声の主。
一見、小学生?とも思えるほど小柄だが、その綺麗な声は、見た目以上の貫禄がある。

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