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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 95

お昼の後はまったりと時が過ぎる。
お祭りと花火は夜、当然夕食のお寿司もまだまだ先。

ちなみに明日は朝からみんなで海へ行くことが決まった。
ここまで来て誰も水着を持ってないなんてことはないからね。
(一応僕も持ってきましたよ)

歩さんは本当にお昼寝してる。
真希さんはそれを見ながら『可愛いわねぇ』なんて言って歩さんの髪を撫でてる。

亜里沙さんはデッキに座ってなにやら読書中。
本の表紙に『武士道』って見えた気がするんですがなんなんでしょうか…

「いやぁ、なんだか時間がゆっくりと進んでいきますねぇ」
何か優雅ですね、早紀さん。
「こういうときはこうするに限るね」
と言って、カバンから何を取り出すかと…っておーい、携帯ゲーム機ですかっ。

その隣の葵さんも読書中ですか。
ブックカバーのせいで何を読んでるのかわからない。さっきまでの反応からしてすごく気になるのですが。


―太陽が西の空に沈む頃、別荘では夕食の支度が進む。
お昼にも言ったとおり、今晩はお寿司である。

「姫さんさっきから何そんなにソワソワしてるんですか」
「だっ、だってさぁ、お寿司だよ?しかも回らないんだよ?こんなん一生に一度あるかないかだよ?」
発言の意味が不明です…
ってか家を飛び出てからどんだけ貧乏生活してたんでしょうか。

今日一日ずっと荒ぶり気味の姫さんを横目に、茜さんが説明してくれた。
「あやつは家出してからしばらく仲のいいクラスメートの家を転々としていたのさ。私もそうだし、向こうにいる岡蜜さんとかお馬鹿双子の家にも上がりこんでた。それを見て、あまりにも可哀想だから、学校に頼んで何とかしてもらったわけで」

…ふむ。
「…その呼び方やめてよ…」
「茜ちん、人を馬鹿って言うなー!!」
「私たち馬鹿じゃなーい!!」
違うところで抗議してくる蜜恵さんと双子姉妹。

いずれにせよ、こうした友人を持っていたのは姫さんの救い。
明らかに幾らか非合法寄りであってもマシな状況、そして現在はあくまで一人暮らしの学生で通っている。
一般的な大人だったら、役所に届け出ひとつ児童相談やら奨学金で解決、と健全なアイデアに至る所だ。

ただし姫さんの場合、事情はどうあれスタート地点が問題、社会的には単なる我が儘による家出。
当然、正規に戸籍や住民票も姫さん自身で役所に掛け合いどうこうしてなかった(というか出来なかった)状態。
そうなると孤児や密入国などで両親不在よりも扱いは難しい、学校側も難儀した事だろう。

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