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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 86


…どうやら、このメンバーがそのまま参加することになりそうだ。
「今お父さんに確認取った。夏休み中は使う予定ないみたいだから、いつでもいいよって」
「わーい、海だー」
茜さんの報告を聞き、子供のように喜ぶ歩さん。

期間は長くても1週間。
剣道部は特別合宿とかもないし、夏休みの補習も受けてない。
宿題だけ持っていけばいいかな。


―…夏休みが始まって数日後、その日がやってきた。
茜さんの家族が持つ別荘に、生徒会一同(+α)で遊びに行き、お泊りする、その日が。

大人数とはいえ高校生だけで大丈夫?と母さんからは心配もされたが、茜さんが一番頼りにする付き人(従者?)が同行するということで、一応の安心は得られた。

「海が見えてきましたなぁ」
「ここから見るだけでもオーシャンビューだよね!」
茜さん以外の参加メンバーとともに、電車で別荘の場所に向かう。
茜さんは現地でお迎えに来てくれるそうだ。

「さて」
別荘に一番近いという駅で降りて、改札を出たまではいいんだが。

「茜ちゃん、どこにいるの?」
「いませんよね…」
お迎えに来ると言ったお嬢様の姿はどこへやら。
歩さんと葵さんは首をかしげる。
周りに建物がある雰囲気がなく、たまに通る車のエンジン音とセミの鳴き声が少し空しい。

…別荘へは歩いてだと30分以上かかるらしい…なんとまあ
「…ん?」
そう思っていると、一台のマイクロバスがこちらにやってくるではないか。

マイクロバスは僕らの目の前で止まる。
「はいー、皆さんお待たせしましたー」
中から降りてくるのは誰あろうそのお嬢様・茜さん。

「お迎えってこれですか」
「ん、大人数だからこれしかないっしょ」
…まあ、そうだろうけど。

中からもう一人降りてくる。
当然運転手はいるだろうが…その人は、祐くんとはまったくタイプの違う、爽やかなイケメンが。

「皆様ようこそ。私、春田茜お嬢様の執事の樽見隼人と申します」
その爽やかイケメンに呆気に取られる女性陣一同。

…しかし、歩さんが投げかけた次の一言は
「多額の借金を背負って逃げ回っていたところを茜ちゃんに拾われたんですね、わかります」
「どうしてそうなるんですか!?」
…いやだって、樽見さん、貴方あの漫画の主人公そっくりじゃないですか。

「いやぁ歩さん、いくらハヤト君が似てるからってそんな過去は背負ってませんよ」
「冗談だよ」
「ハヤト君はホームレス状態だったところをですね…」
「お嬢様も話を誇張させないでください!」
…あぁ、樽見さんのポジションなんとなくわかってきた気がする。

「まあ、ハヤト君は長い付き合いで、近所のお兄ちゃんみたいな存在だったんですよ」
「そういうことですね」

話もそこそこに、僕らもバスに乗り込み別荘へと向かう。

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