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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 81

とりあえず、更衣室とロッカーの件はあらかた決着がついたような雰囲気だ。

「はい!みんなお疲れ様ー」
コンビニの袋を持って歩さんが声をかける。
「力仕事とかよく頑張ったからジュース買って来たよー」
…それで姿が見えなかったわけか、一瞬。
正門から歩いてすぐの場所にコンビニがあるっていいことですが。

 冷たいものをいただきながら僕は歩さんに話しかけた。
「歩さん、今日は、ありがとうございました」
「お役に立てて光栄だよ」
「あの…定量的、とか、あまり、その、らしくない発言って、どこから出てきたんですか?」
 歩さん、ちょっとむっとして
「らしくない、なんて失礼な…うん、あれは、親の本棚からちょつと借りた本から持ってきたんだ。たまにはいいね」
なるほど。
歩さんもたまにはやるもんだ…なんて言ったらまた失礼かな…と思い、口に出すのはやめておいた。
ともあれ、これで懸念された問題は解決しそうで、僕としても嬉しい。
蜜恵さんが笑顔でこちらを見ていた。
彼女のために動いたこの計画、うまく行って良かった。

夏の日差しが窓から僕たちを照らす。
高校生活最初の夏休みが、すぐそこに迫っていた。

僕にとって夏と言えばまず一つの憂鬱、先祖代々の守り刀が持てなくなる事だ。
そもそもどれだけ真っ当な意志と登録証があっても世間一般からは武器である。

ここの剣道部は結構自由度が高く演舞や型、巻き藁斬り等で扱う本身の持ち込みも認めている。
逆にそうした本格的過ぎる敷居の高さ、試合の勝敗と関係するか微妙な稽古を行う姿勢も、部員が集まり難い原因の一つとなっている様だ。

やっぱり僕と同様、守り刀として先祖の脇差を携帯する人達もいて『夏服になる(懐に仕舞えない)から対処しなさい』と言って来た。
更に夏休みで学校から離れる事になれば許可の対象外、少々憂鬱でも一応の納得はしている、中学の時もそうして来た。

問題はもう一つある、というか約一名の問題児がいる、決して悪い奴じゃあないんだけれど…。

思春期男子として普通過ぎて普通じゃないオープン過ぎる奴、でも一応いい所はある。
僕が女子だらけの生徒会に入って間もなく、ごく一部の同級生が難癖を付けてきた。
僕が適当にあしらっていた所「文句があるなら妬んでないで行動を起こせ」といった具合で仲裁に入ってくれた。

そんな彼に感謝しながら、でもやっぱ面倒臭い奴と考えていたその時。
茜さんの携帯から友達らしい着メロとは違う、黒い方のジェダイの曲が流れた。
そして奴は日頃、片っ端から一年女子の携帯番号を聞いてたな、と思い出す。

「うん?じゃあそこの窓からダイブしてみようか?じゃね!」

茜さんというか一年女子全員が彼に対し、何かと明るく朗らかに容赦がない。

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