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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 76

「あら、珍しく議論が活発なようね」
そこに遅れて登場したのは真希さんだ。

「ちょうどよかった。これに関して真希の意見が聞きたかったところなの」
歩さんが言う。
「…生徒用ロッカーと更衣室のあり方ね…これは私も思うところあったのよね」
歩のカオスな落書きは相変わらずねと小声でつぶやきつつ、真希さんは腕組みして考える。

流石に真希さん早紀さんが揃えば歩さんとて、一般的な女子高生とは思えないセンスの落書は控える様だ。
真希さんにワシワシと消される赤青ヒーローの落書、まるで最終話か何かの様だ。

そして何故か真希さんの髪は、歩さんの傍をすり抜ける時だけ彼女を捕食せんとする触手の様にうねる。
それが歩さんの頬や耳元をくすぐる様に動いてる様に見えたのは気のせいだろうか。

人外だとか不思議パワーの類というより、女の子同士でアレする人のテクニックなんだろう。
う〜ん、じゃあやっぱまた捕食されるんだろうな、会議終わったら邪魔にならない様にしようと僕は思った。

さてそんなラスボス…もとい救世主の真希さんのご意見はというと
「今年の1年生から男の子も来るようになって校内のスタイルが大きく変わった。ただ、それにもともとあった学校のルールが現状ついていってないのが事実ね」
大人っぽい真希さんがホワイトボードの前で講釈たれる姿はさながら女教師のそれである。

「教室の中に小型のロッカーを設置するのは確かに名案ね。それによる教室のレイアウトを変更するのは…まあ、簡単じゃないけど」

真希さんの知る限り、仮に新たな小型ロッカーの購入をせずとも、ガラクタ置き場同然の機材庫に結構な数の大型ロッカーやスチール戸棚が放置されているらしい。

当然教室に置く小型ロッカーとしては微妙だが、内側に仕切り板を設けたり程度で何かと流用は可能らしい。
もしも『個人単位のロッカー・戸棚』という形状にこだわらないのであれば、置き場としての機能は果たす。

セキュリティ上の問題どうのと却下されても、余りロッカー・棚は明らかに無駄な余剰資材だ。
処分の対象とされるなら今まで無駄に使われた機材庫スペースをツメて、空き教室の一つや二つは確保出来るのではないか?という話だ。

「仮に『もったいない』派が渋っても、せめてバラシて板切れ状態で保管してほしいモノね。」

「棚とかロッカー四角いじゃないですか!板切れとか物理的に無理でしょう!」
「最近のは結構バラせるよ?中学の工作で小物入れとか作らなかったかなあ?」
「でもアレは一回組んだら…。」
「ハイハイ今説明するから…。」

茜さんがすっとんきょうな声を上げた所、ガテンにも慣れた梓さんが冷静にツッコみイラストで説明していた。

僕が痴漢やH本関連で理解が薄かった様に、一部女性は建築物が板と柱で出来ている立体解釈が苦手らしい。
茜さんは梓さんの手書き図で不要ロッカー=板切れの理屈が理解出来たようだ。

「最初からそう言って下さいよ!私が馬鹿みたいじゃないですか!」
「いや茜そういう話を理解出来てなかったから説明したんだけど?」

それはそうと問題は当の機材庫、ロッカー再利用以前に相当無駄があると予想出来る。

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