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生徒会日和。
官能リレー小説 - 学園物

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生徒会日和。 75

 歩さんは早紀さんに、ホワイトボードを示してその前までの話を簡単に説明した。
「やはり、地図があると議論しやすいですね。今の場所が全体としてはベターですね」
 葵さんは、改めてホワイトボード上の地図を見てそう言った。
「そうすると、あとはロッカーね。もし、教室に小さいロッカーを、というなら、多分、切り口は二つ。教科書以外の、よく取りに行く置くものがあると言う、または、教科書は必ず持ち帰る、というルールは合理的でない、と言う…」
そこに梓さんが口を挟む。
「結構、教科書を教室に置いたままって奴いるんだよなー…」
「まあ、そうだよね。私だってルールを守ってます、とは決して言えないところもあるから…」
歩さんも続ける。

「部活やってる人間だと、各部活の部室に、個人のロッカーとか荷物置き場があったりするんだ。そこに置きっぱなしにして、朝練があったらそのときに一緒に持って教室へ、なんてパターンがある」
各部活の助っ人として内情をよく知る梓さんらしい話である。

「そ、問題はその怠慢化なんだよ。」

梓さんに歩さんが頷く通り、確かに世の中多少のグレーゾーンはあるだろうが私物放置、盗難紛いの騒ぎにまで発展したら洒落にならない。
歩さんが、お前のモノはジャイアニズムな少年を描き上げた所、速攻で早紀さんに消される。

「これヤッキョ四発しかないよ縁起悪い。」

茜さんが押収品のエアガンでレンコンの方を弄くりスタンド使いっぽく宣う。
今回押収された漫画や玩具その他、学校で必要ない物の隠し場所としての悪用も問題だ。

私物と言えば皆に余り知られてないが僕の脇差だって結構面倒な手続きを踏んでる。
大人でも剣道のコネひとつで刀は簡単に持てると誤解してる人達は多いらしい。
中二漫画の様な帯刀が許される訳でもなく剣道家として管理徹底どうこうでハゲそうなストレスだ。

柔道剣道弓道は平成に入ってインフレ状態だが射撃選手が足りない日本で、玩具ではない公式の学生射撃を行う生徒も似たような面倒臭さで育成がおぼつかないそうだ。

「さっきの更衣室移転・増設に比べれば予算も場所もどうにでも出来る、けど生徒が正しく運用出来る姿勢を見せなきゃ学校だって首をタテに振らない訳なのよ。」

先程の玩具漫画18禁に限らず、教科書放置だけでも先生方はやるせないだろう。
お前より塾や独学が合理的なんだからそれでいい、生徒が頭は下げても所詮は歳上の友人感覚。
緩慢な学級崩壊を見せ付けられたら教員だって協力的な姿勢は見せてくれない。

当初の教科書置き場+αぐらいなら通りそうなモンだが、一部の頑固な教師はその程度の妥協案でも『学校から一歩出たら私の授業は不要か?』と疑念を持つだろう。
逆に杓子定規のルーチンワークとしてそれこそ毎日教科書を持って帰る生徒だって、全員が全員自宅で活用しているかどうかという問題が出てくる。

「心情と合理性そして実際問題の三つ巴、でもコレだって申請さえ出せば無駄じゃない。」

僕達の意見が飛び交う中で、誤解を恐れない赤青メタルヒーローをホワイトボードに描き込みながら、歩さんはざっくりとまとめた。

「モノ自体は余ったロッカー運び込むだけでいい、正しく運用してれば教員だって文句は言えないさ。」

問題が発生すれば管理する生徒側の責任、そして撤去という事か。

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